この記事では、「文化住宅」と「テラスハウス」の違いを分かりやすく説明していきます。
「文化住宅」とは?
「文化住宅」【ぶんかじゅうたく】は、1950年代~1960年代に近畿地方で大量に建設された集合住宅の俗称です。
集合住宅は、メゾネット(1戸が1階と2階で構成されるタイプ)の木造2階建てアパート、または平屋が並んでいるもので、間取りは2部屋にトイレとキッチンが付いた「2K」が一般的です。
「文化住宅」は、開発が進む大阪へ働きに出る人が急増した頃、彼らが暮らすための賃貸物件として供給されました。
それまでの集合住宅は、玄関が一つでトイレやキッチンを共有するタイプが主流でした。
そのため、各棟が独立しているところが文化的で新しく見え「文化住宅」と呼ばれるようになったのです。
そのほか、大正時代に普及した和洋折衷のモダンな住宅も「文化住宅」と呼ばれています。
「テラスハウス」とは?
「テラスハウス」は、メゾネット物件が並ぶ長屋タイプの集合住宅。
16世紀にヨーロッパで建設され、世界中に普及しています。
庭のついた2階建ての家が隣の家と壁を隔てて連なっており、生活スペースの独立しているところが特徴です。
集合住宅でありながら一戸建てに住んでいるような感覚になれるとして、一定の人気があります。
テレビ番組の影響で「テラスハウス」は「ひとつの家を複数の住人で共有するおしゃれな住宅」とイメージされることが増えました。
実は、1軒を複数人でシェアするタイプの住宅は「シェアハウス」と呼ぶべきで「テラスハウス」の定義には当てはまりません。
「文化住宅」と「テラスハウス」の違い
「文化住宅」と「テラスハウス」の違いを、分かりやすく解説します。
「文化住宅」は昭和の高度成長期に近畿地方で普及したアパートや長屋タイプの集合住宅、または大正時代のモダンな和風住宅を指します。
一方「テラスハウス」はヨーロッパで発祥した、メゾネット物件で構成される集合住宅です。
「文化住宅」は日本特有の住宅様式ですが「テラスハウス」は世界中に普及しているところが異なります。
また「テラスハウス」はメゾネット物件で構成される長屋と定義されているのに対し、「文化住宅」はメゾネット物件以外にさまざまなタイプが存在しているところも違います。
まとめ
「文化住宅」と「テラスハウス」はどちらも集合住宅ですが、普及している地域や定義が異なることを説明しました。
どちらも意味を間違えやすい用語です。
不動産に関する話題が出た時に正しく使い分けられるよう、それぞれの意味を理解しておきましょう。