「紛失」と「喪失」の違いとは?分かりやすく解釈

「紛失」と「喪失」の違い違い

この記事では、「紛失」「喪失」の違いを分かりやすく説明していきます。

「紛失」とは?

「紛失」とは、 物がまぎれてなくなること、及びなくすことを意味する言葉です。

「紛」はまぎれると言う意味で、従ってまぎれてなくなる事を意味するのです。

ただこの言葉では、物と言う形のあるものがなくなる事である点がポイントと言えます。

例えば、『自宅の鍵を紛失した。』や『会社の重要書類を紛失する。』の様に鍵や重要書類と言った形のある物をなくした場合に使うのです。


「喪失」とは?

「喪失」とは、形のあるものではなく、色々な抽象的な事柄を失う事を意味する言葉です。

『資格を喪失した。』や『記憶喪失』や『喪失感に苛まれる。』と言った事例の様に使われます。

この事例の前の2つは、失うものが形のある物ではなく、資格や記憶で、抽象的・精神的なものと言えます。

しかし3番目の『喪失感に苛まれる。』ではなくしたものが、抽象的やものでも形のある物のいずれの場合にも使用されます。

ここでは単にものをなくした事と、感情が連なり、心情が穏やかでない状態を表現する意味で使われています。

前者の2つとは少し違った使用例ですが、なくした心情を強く表現すると言う意味では、やはり抽象的・精神的な側面を持っているとも言えるでしょう。

また、この「喪失」という漢字に含まれる忌み言葉の「喪」を見ただけで、何となく悲しい雰囲気が漂う言葉です。

しかし「喪失」「喪」には忌み言葉的な要素が含まれている訳ではありません。


「紛失」と「喪失」の違い

「紛失」「喪失」は共に、「失(うしなう)」を含む熟語で、いずれも何かをなくすことを表現する言葉と言う共通点を持っています。

しかし「紛失」「喪失」は同義語ではなく、「紛失」は、 物がまぎれてなくなること、すなわち形のある物がなくなる事を指す場合に使用されるのに対し、「喪失」とは、形のあるものではなく、色々な抽象的な事柄を失う事を意味する言葉として、使い分けられているのです。

ちなみに、「喪失」「消失」を誤用される方が少なくないように思われます。

この「消失」「喪失」とも「紛失」とも違う意味の言葉です。

「喪失」は形のない抽象的なものを、「紛失」は形のある物をなくすことを意味するのに対し、「消失」は、これまであった何かが消えてなくなることで、誰かがなくすと言う意味とは異なっているのです。

まとめ

「紛失」「喪失」は共に、何かを「失くす」ことを表現する言葉と言う共通点を持っています。

しかし2つの言葉は、同義語ではなく、「紛失」は 物がまぎれてなくなること、すなわち形のある物がなくなる事を指す場合に使用されるのに対し、「喪失」とは、形のあるものではなく、色々な抽象的な事柄を失う事を意味する言葉として、使い分けられているのです。

ちなみに、似て非なる言葉に「消失」がありますが、こちらはこれまであった何かが消えてなくなることで、誰かがなくすと言う意味とは異なっており、「紛失」とも「喪失」とも違う意味の言葉です。

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