この記事では、「不安」と「恐怖」の違いを分かりやすく説明していきます。
「不安」とは?
漠然とした実際のないものに対し起こる「不安」。
何かわからないものに対し落ち着くことができず、怖い気持ち、嫌な気持ちで心がいっぱいになる、といった人の気持ちを意味しています。
「不安」の場合、現実に何かが起きているのではなく、何かが起きてしまうのではないか?といった気持ちを表します。
体の変化としては、落ち着くことができない、平然と過ごすことができない、心が痛む、息苦しさを感じるなど、様々な体の不調が現れる場合があります。
「不安」の使い方
「不安」の使い方としては、不安な気持ちになる、不安を解消させる、不安な夜、老後の不安、不安の種、不安の色が漂う、不安の念に悩まされる、不安げな様子などが挙げられます。
「恐怖」とは?
明確な対象物がある際に起こる「恐怖」。
対象物は、人やもの、場所など様々です。
そんな対象物に対し、身の危険を感じたり、怖いと感じたり、嫌な思いをしたり、そんな気持ちになることを意味します。
「恐怖」の場合、目の前にある対象物に対し抱く感情となります。
そのため、「不安」のような未来のことではなく、今現在、目の前にあることに対し抱く感情となります。
身の危険を感じることも多く、精神的にも緊迫状態にある場合が少なくありません。
気持ちが動揺するだけではなく、体の変化としては、大声で叫ぶ、その場から逃げ出す、冷や汗をかく、腰が抜ける、失神するなどが起こります。
「恐怖」の使い方
「恐怖」の使い方としては、恐怖心、恐怖を覚える、恐怖を与える、恐怖を感じる、恐怖を消し去る、恐怖を乗り越える、恐怖を抱かせる、恐怖を感じる、恐怖を伴うなどが挙げられます。
「不安」と「恐怖」の違い
以上のことからわかるように「不安」と「恐怖」には明確名違いがあります。
「不安」の場合、対象物はありません。
これから起こるかもしれない、もしかしたら、に対し、気持ちが動揺し落ち着かいない様子を指す言葉となります。
一方、「恐怖」の場合は、明確な対象物があり、その対象物に対し怖いと思う、身の危険を感じるといった意味となります。
このように、対象物があるか、ないか、によって、「不安」と「恐怖」には明確な違いがあると言えるのです。
「不安」の例文
・『老後の不安に備え、できるだけ今は節約しなければいけないと思っています。』
・『受験に対する不安で心が押しつぶされそうです。』
・『新学期は新しい生活のスタートということもあり、不安な気持ちで登校する子供は少なくありません。』
・『不安な気持ちでいっぱいの夜は、なかなか眠りにつくことができません。』
「恐怖」の例文
・『彼の顔が恐怖で青ざめているのがわかった。』
・『私は高いところが苦手な高所恐怖症です。』
・『何とかして、失敗の恐怖から立ち直らなければならない。』
・『ごめんなさい。恐怖を与えるつもりはありませんでした。』
まとめ
以上が、「不安」と「恐怖」の違いです。
両者には明確な違いがあるため、必ず意味を考えた使い分けが必要です。