この記事では、「拡大」と「増大」の違いを分かりやすく説明していきます。
「拡大」とは?
「拡大」とは、空間・面積・幅・規模・範囲などを大きくすることです。
また、広がって大きくなることです。
写真のことで考えてみます。
写真店で現像をしてもらうと、一般的には手のひらに乗るくらいの大きさの写真にしてくれます。
アルバムに収納するなら、これくらいの大きさがちょうどよいでしょう。
しかし、1枚の写真を壁に飾るときには、これでは小さすぎます。
写真店では写真を大きくするサービスを行っています。
A4サイズ、A3サイズなどにできるのです。
はがきサイズくらいだったものをA4サイズにするのは、もともとの幅よりも大きくしているといえます。
このように、面積・幅・範囲などを大きくすることを、この言葉は意味しています。
「拡大」の使い方
空間・面積・幅・規模・範囲などを大きくすることや、これらが大きくなることという意味で使用をします。
たとえば、写真を大きくする、虫眼鏡を使って大きく見えるようにするなどです。
これらは、何倍かに大きくしています。
何倍かに大きくすること以外にも使用できます。
たとえば、需要が増えることです。
これは何倍と表すことは難しいですが、規模が大きくなっているので「需要が拡大する」ということができます。
「増大」とは?
「増大」とは、数や量が多くなること。
また、多くすることです。
人口は数えることができます。
都道府県では毎月人口を計算しており、その数値を公表しています。
先月に比べて今月が多くなっていれば、「人口が増大した」といことができます。
人口は人という目に見えるものですが、目に見えないものが増えることについてもいいます。
たとえば、憎しみや不安です。
こういったものは目で見ることはできませんが、これらが増えることも意味しています。
数や量についていう言葉で、幅や範囲についてはいいません。
「増大」の使い方
数や量が多くなること、多くすることという意味で使用をします。
少なくなることではありません。
数や量について使用する言葉で、幅や程度などには使用しません。
「拡大」と「増大」の違い
大きくなる、大きくするという意味が似ていますが、何が大きくなるのか、何を大きくするのかという点が違います。
前者の言葉は空間・面積・幅・規模・範囲などについていい、後者の言葉は数や量についていいます。
「拡大」の例文
・『拡大したらはっきりと見えるようになった』
・『顧客層の拡大を目指す』
・『被害が拡大しないように対策をする』
・『規模を拡大して行われた』
「増大」の例文
・『人の数が増大した』
・『消費量が増大する』
・『需要の増大を目指す』
・『放水量が増大する』
まとめ
大きくなること、大きくすることという意味が似ている2つの言葉ですが、何が大きくなるのか、何を大きくするのかという点に違いがあります。