この記事では、「叡智」と「智慧」の違いを分かりやすく説明していきます。
「叡智」とは?
「叡智」には、物事の筋道を立てて、正しく締めくくりをつけることができるすぐれた能力という意味があります。
深く物事のことわりに通じている才能のことです。
物事をうまく成し遂げるためには、正しく計画をし、正しく処理をしなければなりません。
どこかで誤りがあれば、結果も誤ったものになってしまうためでしょう。
それを成し遂げるために能力が必要です。
物事を行う正しい順序を考え、正しく計画を立てて、正しく行動をしていくのです。
このようなことを成す優れた才能のことを「叡智」といいます。
「叡智」の使い方
日常的に頻繁に使う言葉ではありません。
「人類の叡智」という使われ方をすることが多くあります。
人間には知性が備わっているとされており、だからこそ、このような使い方をするのでしょう。
「猫の叡智」「鳥の叡智」などとは言いません。
猫や鳥などは人間よりも才能が劣っていると考えられています。
「叡」も「智」も常用漢字表にない漢字ですが、この漢字で表記しても間違いではありません。
「智慧」とは?
「智慧」には、物事の筋道を立てて、正しく締めくくりをつけることができる能力、物事の正しい筋道を見極めて対応していく心の働きという意味があります。
万年床になっていると、布団にカビが生えることがあります。
毎日布団を動かしていても、日に当てることがないとカビることがあります。
そうならないように、ときどき天日干しをします。
これは古くから行われてきたことです。
現在は紫外線に殺菌作用があるとわかっており、それによってカビの繁殖を防げることがわかっていますが、現代のような技術が発達していなかったころから、布団の天日干しは行われてきました。
科学的に解明されていないのにこういった行動をするのは、人間の「智慧」によるものといえるでしょう。
「智慧」の使い方
物事を行うときの正しい順序を考え、正しく処理をしていく能力のことや、そのようにしていく心の働きを指して使用します。
考えなければならない場面で使用されることが多い言葉です。
「智」も「慧」も常用漢字表にない漢字ですが、この漢字を使用しても間違いではありません。
「叡智」と「智慧」の違い
どちらの言葉も、正しく判断して、正しく処理する能力のことを指しています。
しかし、まったく同じことではなく、より優れている能力のことは「叡智」といいます。
「叡智」の例文
・『人間の叡智による無限の可能性』
・『叡智の結晶だ』
・『叡智を集結する』
・『叡智を絞って物事に取り組む』
「智慧」の例文
・『智慧を出してください』
・『3人で智慧を出し合えば、きっと解決できる』
・『智慧が少ない』
・『智慧があれば貸してください』
まとめ
同じようなことを意味している2つの言葉ですが、「叡智」の方がより優れている点に違いがあります。