この記事では、「執拗」と「しつこい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「執拗」とは?
「執拗」には、2つの意味があります。
1つめは、簡単にその場から退かないさまです。
いつまでもくっついてくるさまを意味しています。
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この広告はコンテンツ連動型広告といって、そのページのコンテンツにあった内容や、ユーザーが過去に検索したキーワードにあった内容の広告を表示しています。
まったく違うページを見ているのに、いつもいつも同じ広告が出て来ることがあります。
何度も何度も出て来ると「もう何回も見たよ」という気持ちになります。
このようなさまは、「執拗に表示される」といえます。
もう一つの意味は、自分の意見を簡単に引き下げないで、いつまでもこだわり続けるさまです。
「それ、違うよ」「こうこう、こうなんだよ」と説明をしても、自分の意見を変えようとしない人がいます。
自分は正しいと思っているのか、簡単に引き下がってしまうと恥ずかしいと思っているのか、さまざまな理由があるのでしょう。
他人がどうこう言っても自分の意見にこだわるさまを意味する言葉です。
「執拗」の使い方
こだわってうるさいさまについて使用をします。
いつまでもくっついてくるのは、くっつくという行為にこだわっているといえるでしょう。
自分の意見いつまでも変えようとしないのは、自分の意見にこだわっているといえます。
必ずしも悪い意味で使われるのではなく、「敵対するものに執拗に攻撃する」など、悪い意味を伴わない場合もあります。
「しつこい」とは?
「しつこい」には、2つの意味があります。
1つめは、味・色・においなどがいつまでも後に残るような感じです。
油がたっぷり、こってりしたラーメンを食べると、いつまでも口の中に油の感じが残っていることがあります。
スパイスや油をたくさん使っているカレーは、味がいつまでも残るような感じがあります。
こういったさまは「くどい」ともいい、このことを「しつこい」といいます。
もう一つの意味は、つきまとってうるさい、物事にこだわってうるさい・面倒なさまです。
子どもに「しつこいな」と感じる母親は少なくないことでしょう。
たとえば、食事の準備で忙しいとき、いつまでも腰の周りに抱き着いてきたり、「遊んで、遊んで」といつまでもまとわりついたりします。
親はうるさく感じることでしょう。
このようなさまを意味しています。
「しつこい」の使い方
味やにおいなどがいつまでも残るような感じのことを指して使用したり、くっついてうるさいことを指して使用したりします。
悪い意味で使うことが多いです。
「執拗」と「しつこい」の違い
いつまでもくっついてきてうるさいという意味では、どちらの言葉も同じです。
しかし、使い方が違い、「しつこい」は悪い意味で使うことが多いのに対し、「執拗」は悪い意味を伴わずに使うことがあります。
「執拗」の例文
・『執拗に質問する』
・『攻撃を執拗に繰り返す』
・『上のものが下のものを執拗に責める』
「しつこい」の例文
・『何度もしつこい』
・『このラーメンはしつこい味だ』
・『しつこい咳に悩まされる』
まとめ
いつまでもくっついてうるさいという意味が同じですが、使い方に違いがある2つの言葉です。