この記事では、「実質金利」と「名目金利」の違いを分かりやすく説明していきます。
「実質金利」とは?
「実質金利」とは、「名目金利」から物価上昇率を差し引いた「金利」を指す言葉です。
例えば、「名目金利」が3%の定期預金があり、この時の物価上昇率が1. 5%のインフレ状態の場合、「実質金利」は1. 5%となります。
この例で100万円を定期預金に預ければ、「名目金利」として1年後に3万円が利息として得られますが、その時には物価が100万円に対して1. 5万円高くなっているので、実際には定期預金に預けずに、その時に使ってしまった場合に比べて、実際には1. 5万円だけ得をした事になるのです。
「名目金利」とは?
「名目金利」とは、一般的に「金利」言われているものを指す言葉で、物価の上昇率等を考慮していない「金利」の事です。
「実質金利」と「名目金利」の違い
「名目金利」とは、一般的に預金や借入金に対する「金利」と言われているものです。
「実質金利」と対比する場合には、この「名目金利」の表現を使いますが、普通は「金利」と言えばこれを指します。
一方の「実質金利」とは、「名目金利」から物価上昇率を差し引いた「金利」を指す言葉です。
この「実質金利」は預金の場合には、物価上昇率を勘案すれば、どの程度のプラスを得られるの、また借入の場合にはどの程度の実質的な負担になるのかを考えるために使用されるものです。
すなわち「実質金利」=「名目金利」–「物価上昇率」の関係式で表せる関係があるのです。
この「名目金利」は物価や景気のコントロールのツールとして、各国の通貨当局の政策に影響を受けます。
そして物価上昇率も各国によって差があります。
従って国によって「実質金利」にも違いがあります。
これらが複雑に影響して通貨の為替も変動しますが、この為替の予測等にも「実質金利」や「名目金利」を使って検討されます。
少し余談になりますが、近年の日本では長くデフレが続いており、それにより預金金利は実質的にゼロと言える状態です。
しかし、物価が年率1%で下落しているなら、ゼロ金利で預金していても、1年間使わずに預けていた事で、お金の価値(使い出)が1%増えた事になるのです。
これがお金を貯め込んで使わないと言う傾向を強め、デフレ脱却が中々できない要因の一つとなっているのです。
まとめ
「名目金利」とは、一般的に預金や借入金に対する「金利」と言われているものです。
「実質金利」と対比する場合には、この「名目金利」の表現を使いますが、普通は「金利」と言えばこれを指します。
一方の「実質金利」とは、「名目金利」から物価上昇率を差し引いた「金利」を指す言葉です。
すなわち「実質金利」=「名目金利」–「物価上昇率」の関係式で表せる関係があるのです。
また「実質金利」は預金の場合には、物価上昇率を勘案すれば、どの程度のプラスを得られるの、また借入の場合にはどの程度の実質的な負担になるのかを考えるために使用する事が出来ます。