この記事では、「弁論」と「ディベート」の違いを分かりやすく説明していきます。
「弁論」とは?
「弁論(べんろん)」とは、「大勢の人たちの前で意見や持論を述べること」を意味しています。
「弁論」という言葉には、「お互いがそれぞれの意見・価値観を出し合って議論すること全般」の意味合いもあります。
また「弁論」は、法律用語としても使われています。
法律用語の「弁論」は、「民事訴訟で当事者が陳述すること」や「刑事訴訟の後半手続き」を示しています。
「ディベート」とは?
「ディベート」とは、「パブリックなテーマについて、賛成と反対のチームに分かれて時間制限のある討論をすること」を意味しています。
「ディベート」は、自由にお互いの意見を戦わせる議論ではありません。
「ディベート」というのは自分の本当の意見とは関係なく、「あるテーマについて賛成・反対の立場」に分かれた上で、その立場(役割)に沿った意見と反論を出し合う討論なのです。
「ディベート」は、日本語では「公開討論・討論会」と翻訳されます。
「ディベート」は「企業で社員の論理的な言語能力・批判的な視点を高める研修」として行われたり、「相互の討論の技術・説得力を競い合うディベート大会」が開催されています。
「ディベート」は大学生の部活・サークルで行われる討論のイメージもありますが、一般企業や社会人サークルでも特定の目的を持って弁論能力の鍛錬に応用されているのです。
「弁論」と「ディベート」の違い
「弁論」と「ディベート」の違いを、分かりやすく解説します。
「弁論」は「ディベートも包摂した議論のすべて」を意味する言葉です。
「ディベート」というのは、「本音がどうであれ、賛成・反対のスタンスを決めて議論する公開討論」です。
その意味から、「ディベート」は「弁論の一種」である違いがあるのです。
「弁論」には「複数の人々の前で自分の意見・考えを言うこと」の意味がありますが、「ディベート」には「自分の意見を人前で述べる」だけの意味はありません。
また「弁論」は「訴訟当事者の陳述」など法律用語の意味合いを持っていますが、「ディベート」は法律用語ではないのです。
「弁論」の例文
・『弁護士の法廷での弁論は、訴訟内容の関連情報を網羅しているのでとても説得力がありました。』
・『大勢の聴衆の前で弁論することに慣れていないので、全身に冷や汗をかくほどに緊張しました。』
「ディベート」の例文
・『ディベートで相手を論破する言語能力・知性の高さを、実際の仕事にどう応用出来るのかを考えています。』
・『彼女は学生時代にディベートの達人として一目置かれていた人物なので、まともに議論しても勝ち目はありません。』
まとめ
この記事では、「弁論」と「ディベート」の違いを詳細に説明しました。
「弁論」とは「双方の意見を出し合う議論全般・当事者が陳述する意味の法律用語」を意味しています。
「ディベート」は「特定のテーマについて、肯定と反対の立場で意見・反論をぶつけ合う討論会」を示している違いを挙げられます。