この記事では、「公正」と「正義」の違いを分かりやすく説明していきます。
「公正」とは?
判断や行動に偏ったところがなく、正しいこと。
また、そのさまです。
偏るとは中心から外れていることです。
たとえば、日焼けをするのは健康的でよいことだという考えと、日焼けは皮膚がんを招く心配があるからよくないことだという考えがあったとします。
どちらか一方を指示する場合は、考え方に偏りがあるといえます。
どちらの立場にもよらない中立的なものを、偏ったところがないということができます。
正しいとは、道理にかなっていることです。
しかし、文化や時代によって何が正しいのか変わってくるので、これが正しいとはっきりいうことはできません。
「公正」の使い方
偏ったところがないという意味で使用します。
判断や行動について使われることが多いです。
「正義」とは?
「正義」には3つの意味があります。
1つめは、道徳的に正しいことです。
アニメには「正義の味方」が登場することがあります。
「正義の味方」は、道徳に反することをするものを懲らしめる役割をしています。
正しいと考えられることを行っているのです。
人間の社会では、正しいと考えられることが、文化や時代によって違います。
2つめの意味は、正しい意味・内容・解釈です。
「大学」「中庸」「論語」「孟子」の4部の書を四書といいます。
現代の日本語で書かれているわけではないので、これを現代人の日本人が解釈するのは難しいです。
間違って解釈してしまう可能性があります。
こういったものを正しく解釈したものが「正義」です。
四書についていえば「四書正義」といいます。
3つめは、人間が社会生活を営むうえで判断の基準で、その違反に対して厳しい制裁を伴う規範です。
「正義」の使い方
いくつかの意味がありますが、道徳的に正しいことという意味で使用されることが多いです。
「公正」と「正義」の違い
どちらの言葉にも、ただしいという意味を持つ漢字である「正」が使用されている通り、2つの言葉は正しいという意味を持っています。
しかし、何が正しいのか、どのように正しいのかという点に違いがあります。
前者の言葉は、偏っていなくて、さらに正しいことを意味しています。
「公」という漢字には、かたよらないという意味があります。
後者の言葉は、道徳的に正しいことを意味しています。
「義」という漢字には、人としてふみ行うべき道という意味があります。
どちらの言葉も、何が正しい行為なのか、判断なのかといったことを具体的には示していません。
「公正」の例文
・『公正な判断を求めます』
・『公正な取引をする』
・『公正で質の高い教育を受けられるようにする』
・『公正になるように配慮している』
「正義」の例文
・『それが正義だと信じる』
・『正義感が強い人』
・『正義のために戦ってきた』
・『正義を貫く』
まとめ
どちらの言葉にも正しいという意味合いがありますが、どういった正しさなのかという点に違いがあります。