この記事では、「譲る」と「売る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「譲る」とは?
「譲る」には5つの意味があります。
1つめは、自分の物・地位・権利などを他の人に渡すことです。
渡すものは、価値あるものの場合も、価値のないものの場合もあります。
自分は本を持っています。
この本を読み終わってしまったので、Aさんが読むだろうと思って、Aさんに与えました。
この行為は「本を譲る」ということができます。
2つめは、欲しい人に売るです。
1つめの意味は物などを与える代わりに金銭を要求していませんが、2つめの意味は物を与える代わりに相手から金銭を受け取っています。
3つめは、自分を後回しにして他人を先にするです。
レジに2人が並んでいて、自分は最後尾にいます。
そこに急いでいる人がやってきました。
その人を先にレジに通し、自分は後回しにすることにしました。
この場合は「レジの順番を譲る」ということができます。
4つめは、自分の考えなどを強くいい張ることなく、他人の考えなどを通すことです。
たとえば、自分の説にこだわるのではなく、他人の説が通るようにすることなどをいいます。
5つめは、他の機会にするです。
明日会見をする予定だったのですが、都合が悪くなりました。
そのため、会見は別の日に行うことにしました。
この場合は「会見を別の日に譲る」ということができます。
「譲る」の使い方
いくつもの意味があり、さまざまな場面で使用されています。
自分よりも他人を優先するようなことに使うことが多いです。
「売る」とは?
「売る」には5つの意味があります。
1つめは、物や権利などと同等の価値の金銭と交換して、品物や権利などを渡すことです。
店で洋服や食品など欲しいものがあったら、金銭を店側に渡して、物を受け取ります。
店からすると、金銭と引き換えに物を渡していることになります。
この店側の行為が「売る」です。
2つめは、自分のことを多くの人に知られるようにするです。
「顔を売る」などといいます。
3つめは、自分が得をするために、味方を裏切って敵の得のために働くことです。
「仲間を売る」などといいます。
この場合、自分が利益を得るために、仲間を裏切っています。
4つめは、相手が何かをするように、こちらから働きかけることです。
また、押し付けることです。
相手から見返りを受けたいと考えたとします。
そこで、相手に何か施しを行います。
こちらから働きかけたのです。
それによって、こちらがしたことに対して相手が何かをしてくれることを期待しました。
この場合「恩を売る」などといったりします。
5つめは、口実にするです。
「売る」の使い方
さまざまな意味があり、いろいろな場面で使われています。
日常的には、金銭を受け取る代わりに物などを渡すという意味で使用されています。
「譲る」と「売る」の違い
相手に物や権利などを渡すという意味が似ていますが、やや異なる部分があります。
前者は、代金を受け取らずに渡すことを主にいいます。
物については、代金を受け取ることもあります。
後者は、ただで与えることではなく、代金と引き換えに物や権利などを渡すことです。
まとめ
物を渡すという意味が似ている2つの言葉ですが、代金を受け取るのか、受け取らないのかという点に違いがあります。