この記事では、「媒介」と「紹介」の違いを分かりやすく説明していきます。
「媒介」とは?
「媒介」には2つの意味があります。
一つは、2つのものの間に立って、それぞれの間をうまくまとめることです。
動植物について主にいいます。
植物の多くは受粉をすることで種ができます。
受粉は、めしべにおしべの葯がつくことで成立します。
この行為の仲立ちをしているのが昆虫です。
昆虫はある植物と別のある植物との間をとりもっている、つまり「媒介」する存在だといえます。
昆虫によって植物が受粉することは、植物にとっては好ましいことかもしれません。
しかし、「媒介」は好ましい現象だけではありません。
マラリアは亜熱帯・熱帯地域に多い感染症です。
メスのハマダラカが吸血をする際、病原体が人間の体内に入り込むことで感染をします。
病原体と人間との間を蚊がとりもっているのです。
蚊が「媒介」する感染症です。
もう一つの意味は、ヘーゲル哲学で、存在や認識が他のものに条件づけられて成り立っていることです。
「媒介」の使い方
2つのものの間をとりもつという意味で使用をします。
動植物に関係する事柄に使用されることが多いです。
「紹介」とは?
「紹介」には2つの意味があります。
一つは、知らない人同士の間に入って対面させることです。
AさんとBさんはお互いのことをまったく知りません。
この2人の間にCさんが入って、Aさん、Bさんを引き合わせました。
この行為が「紹介」です。
これによって、AさんとBさんは互いのことを知るようになりました。
「紹介」をしているのがCさん、「紹介」されたのがAさん、Bさんです。
もう一つの意味は、知られていない物事を世間に教えることです。
たとえば、隠れ家的な店があったとします。
この店は多くの人に知られていません。
雑誌で隠れ家店の特集をすることになり、この店が雑誌に掲載されました。
雑誌は多くの人が見るものなので、雑誌に掲載されることで世間一般の人が知るようになります。
この行為が「紹介」です。
「紹介」の使い方
互いに知らないもの同士の間に入って、それぞれのことを知らせるといった意味で使用をします。
「媒介」と「紹介」の違い
「媒介」とは、2つの間をとりもつことです。
知らないもの同士を引き合わせることではありません。
「紹介」は、知らないもの同士を引き合わせることや、知られていないことを世間に教えることを意味しています。
「媒介」の例文
・『昆虫が媒介する感染症』
・『動物がウイルスを媒介した可能性がある』
・『蚊が媒介する感染症は多くある』
・『花粉を媒介する』
「紹介」の例文
・『新商品を紹介します』
・『お気に入りの雑貨を紹介してくれました』
・『知人がAさんを紹介してくれた』
・『食材の仕入れ先を紹介する』
まとめ
あるものと別のあるものの間に入ることを意味する2つの言葉ですが、それぞれが意味することは違います。