同じ漢字が使われていても、その順序によって意味が異なるものもあります。
この記事では、「該当」と「当該」の違いを分かりやすく説明していきます。
まごつく言葉の中身を、正しくおさえていきましょう。
「該当」とは?
該当(がいとう)とは、条件を満たしていること。
定められた条件に、きっちり当てはまることを指しています。
該当は「該」と「当」の漢字が重なっている熟語。
この場合の「該」は、あてはまること。
「当」は条件を満たすという訳があります。
そのため事前に決めておいたルールや参加条件に、ぴったり当てはまることが「該当」。
多くのものから条件に合うものだけを、選び出す作業が「該当」といえます。
使い方の例としては「該当する人は、起立してください」や「該当する箇所に、マーカーで線を引いた」や「社内調査の結果、53名の該当者がいた」などがあります。
一定の条件を満たすもの、当てはまる人が「該当」です。
「当該」とは?
当該(とうがい)とは、直接関わっていること。
事件などと、結びつきや繋がりがあることをしめす言葉です。
当該とは、該当の逆のパターンです。
同じように見えるものの、意味が少し異なっています。
この場合の「当」は「この問題の」「あの問題の」という意味があります。
渦中となっている問題そのものを、指ししめす言葉です。
「該」は「あてはまる」と訳せるので「当該」で案件に当てはまること。
その問題に直接かかわっているという意味になります。
使い方としては「当該者は体調不良のため、本日お休みを頂いています」や「当該校の保護者に対して、説明会をおこなった」や「当該メールは、適切に処分してください」などがあります。
当該は名詞とセットで、つかいます。
「該当」と「当該」の違い
同じ漢字が使われていても、方向性は異なります。
「該当」と「当該」の違いを、分かりやすく解説します。
・動作が「該当」そのものは「当該」 該当は条件を満たしていること。
決められた資格に、当てはまることです。
そのため「該当」には条件をクリアするという、動詞のはたらきがあります。
それに対して「当該」は、条件を満たしている物・資格に当てはまる人など、名詞としてのはたらきがあります。
「該当」がルールに当てはめる動作なら「当該」は当てはまった人や物です。
「該当」する物がないか探して、見つけたもの・浮かび上がった人や物が「当該」となります。
また該当は「該当する」と使いますが、当該は当該者、当該チーム、当該事件など、名詞とセットにして用います。
当該するとは言わないので、注意しておきましょう。
まとめ
「該当」と「当該」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも同じ漢字が用いられていますが、大きな差があります。
「該当」は条件に合致すること。
「当該」はある条件に当てはまる人や物のことで、そのものを指した言葉です。
場にあった言葉遣いを知って、高い教養を身につけていきましょう。