「令嬢」とは?
これは貴人の娘、あるいは他人の娘を敬って使う表現です。
令嬢の方が息女よりも敬っている度合いが強く、特に身分の高い人に対して使われることがほとんどです。
より敬意を表したいという場合は令嬢という表現が適切でしょう。
例えば社長の娘さんを紹介された場合など、会社の幹部の人たちの娘さんに出会ったり、跡継ぎの娘さんなどに出会った場合は「ご令嬢」という表記を使ったほうが無難です。
少女漫画では令嬢とい言葉が使われることも珍しくありません。
「息女」とは?
これは他人の娘さんを敬った呼び方で、自分の娘に対して使う言葉ではありません。
普段使う表現ではありませんが、目上の人に対しては使えるように覚えておきたい言葉です。
上司や恩師、取引先の人などに対し、使われることが多い表現です。
文語では「ご息女さま」と表記されることが多く「さま」は漢字でも構いませんが、これは二重敬語になってしまいますので正式には誤りです。
やはり丁寧にしたいという思いから文書ではこのような表記にすることが多いですが、相手が敬語に厳しいなどという事情がある場合は「ご息女」にしておいた方が良いでしょう。
「令嬢」と「息女」の違い
令嬢も息女も目上の人の娘さんを尊敬して表現する言葉になりますが、さらに敬う度合いを高めたいのであれば令嬢という表現が適切です。
特に相手が社長などの娘である場合は令嬢とした方が良いでしょう。
それ以外であれば息女で構いません。
「令嬢」の使い方や使用例
ここでは例文を紹介します。
「令嬢」の例文1
「あの総合病院の院長のご令嬢からお見合いの話が来ています」
よくドラマなどにある展開ですが、総合病院の院長などの令嬢とお見合いをする、というストーリーがありますね。
令嬢とお見合いをして結婚すれば、逆玉の輿になるとも考えられます。
また、このような設定の場合、その令嬢は基本的に才色兼備です。
「令嬢」の例文2
「まさか彼女が社長令嬢だとは思わなかった」
誰もが、友達と話をしている時には親の仕事が何なのか、などという話はしないものです。
しかし、ふとした時に親の仕事が分かり、驚くこともあるでしょう。
まさかいつも一緒に仲良く遊んでいた女友達のお父さんが大きな会社の社長だった、彼女は社長令嬢だった、などということがわかると驚きますね。
「令嬢」の例文3
「彼女は令嬢とは思えないほどテーブルマナーが悪い」
令嬢という表現は、それだけで「身分が高い人の娘さん」という意味がありますので、ネガティブな内容を話すときには「令嬢なのに」などといった表現で用いられてしまう場合もあります。
身分が高い、お金持ちの娘さん、などということであればそれだけでマナーが良いと思われていることもありますので、お金持ちの娘には見えない言動をとってしまうと、周りもがっかりしてしまうかもしれません。
「息女」の使い方や使用例
ここでは例文を紹介します。
「息女」の例文1
「ご息女さまのご結婚、おめでとうございます」
上司や恩師、取引先の娘さんが結婚するのであれば、このように表現しましょう。
もちろん「ご結婚おめでとうございます」でも構いませんが、本人たちではなくその両親である自分の知り合いにお祝いを伝える場合は「ご息女さま」という言葉を使った方が丁寧です。
「息女」の例文2
「ご息女さまの大学合格、おめでとうございます」
目上の人の娘さんが大学など、志望校に合格した場合、やはりお礼を述べたいものですよね。
より丁寧な言い回しですので、ぜひ覚えておきましょう。
「息女」の例文3
「ご息女さまのお誕生、誠におめでとうございます」
もしも先方に女の子が生まれた場合、おめでとうという気持ちを伝えたいですよね。
この表現は何歳以上の女の子でなければ使えないなどというルールはありません。
赤ちゃんであっても成人していても使えます。
「令嬢」の対義語
令嬢の対義語は令息です。
他の人の息子を敬った呼び方であり、特に身分が高い人の息子を指して使われます。
「ご息女」の対義語
息女の対義語は子息になります。
他人の息子を指す表現であり、敬って使う場合はご子息という表現になります。
ご子息という表現は近所の息子に対してなど、気軽に使われることも少なくありません。