凶悪事件のニュースを見ていると、同じような罪が出てくることがあります。
この記事では、「傷害罪」と「暴行罪」の違いを分かりやすく説明していきます。
違いを正しく知って、ニュースをさらに深く読み進めていってください。
「傷害罪」とは?
傷害罪とは相手の体に、ケガを負わせてしまったときの刑罰です。
例えば硫酸をかけたとき、体を踏みつけたとき、もみ合いになって相手を転倒させたときは「傷害罪」です。
そもそも「傷害」とは相手を傷つけること。
乱暴なことをして、ケガをさせることです。
傷害罪として逮捕されると、15年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が与えられる可能性があります。
そして「傷害」の度合いがエスカレートして、傷害を受けた人が亡くなってしまうと「傷害致死罪」という罪に切り替わります。
傷害致死罪の目安は、3年以上20年以下の懲役刑です。
最近では傷害罪の範囲が広くなり、たとえ体を傷つけなくても、精神が傷ついたと判断されれば傷害罪の適用がみとめられるケースも出てきています。
決して軽くはない刑罰なので、日ごろの言動には注意することが大切です。
「暴行罪」とは?
暴行罪とは相手の体に暴行を加えたものの、大きな傷害が見られなかったときに適用される刑罰です。
例えば軽く頭を小突いたとき、顔を叩いたり蹴ったりしたとき、胸ぐらを掴んで脅したときなどです。
暴力を振るったもののケガにつながらなかったときは「暴行罪」のらく印が推されます。
暴行罪として認められると、2年以下の懲役または30万円以下の罰金などが科せられます。
ただし暴行罪には時効もあります。
期日である3年を過ぎてしまうと、刑事罰に問えなくなりチャラになってしまいます。
近年では配偶者や恋人への暴力(ドメスティックバイオレンス)で、暴行罪が適用されるケースも増えてきています。
家庭内の暴力は許されないという風潮が強くなってきているので、留意することが重要です。
「傷害罪」と「暴行罪」の違い
どちらも線引きが難しい刑事罰です。
「傷害罪」と「暴行罪」の違いを、分かりやすく解説します。
・ケガをするか、しないか
傷害罪と暴行罪で比較すると、刑罰として重いのが傷害罪。
より軽いのが暴行罪です。
懲役刑だけで見比べてみても、傷害罪では15年以下・暴行罪では2年以下となります。
13年程度の開きがあることが分かります。
この差を決めるのが「被害者がケガをしているかどうか」ということ。
被害者に何らかのケガが見られたら傷害罪。
ケガが見られない場合は暴行罪におちつきます。
まとめ
「傷害罪」と「暴行罪」の違いを、分かりやすくお伝えしました。
どちらも凶悪事件のニュースで耳にする刑罰のこと。
より罪が重いのが傷害罪。
罪が軽いのが暴行罪です。
傷害罪か暴行罪かは、被害者のケガの有無によって変わってきます。
DVや精神的な暴力でも、これらの罪が適用されることもあります。
大切な人生を「ひとつの暴力」で大きく狂わせてしまわないように、細心の注意をはらうことが大切です。