数年前にニュースで話題になったこともあり、「レアメタル」という言葉に聞き覚えがある人も多いでしょう。
そして最近では「レアアース」が話題にあがること増えてきましたが、それらの違いがわからない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、「レアメタル」と「レアアース」の違いを分かりやすく説明していきます。
「レアメタル」とは?
「レアメタル」とは希少という意味のレアと、金属という意味のメタルをあわせた言葉で、直訳通り希少な金属です。
現在「レアメタル」と指定されているのは大きく分けて31種類ですが、金属として鉄を主成分としていない、いわゆる非鉄金属であることも共通点になっています。
希少な理由は単純に埋蔵量が少ないことや、製錬が難しい、コストが高いなど様々です。
広義では希少な非鉄金属全体を指す言葉ですが、「レアメタル」という言葉は希少な非鉄金属の中でも、特に産業における素材として使われているものを指して使われます。
ちなみに「レアメタル」というのは和製英語で、本来の英語ではマイナーメタルと呼ぶのが一般的です。
「レアアース」とは?
「レアアース」は希土類元素と呼ばれる17種類の元素でできた物質を指します。
「レアメタル」として指定された31種類の中には希土類というものがあり、その希土類として一纏めにされているものが「レアアース」です。
レアや希など珍しい物に対する単語や文字が使われていますが、金や銀などの貴金属よりも多く地中に含まれている「レアアース」も少なからずあります。
ただし地中では他の元素との混合物となっている「レアアース」が多く、「レアアース」を他の元素と混じっていない状態で取り出す事が難しいのが問題です。
そのため埋蔵されている総量ではなく、流通量的な意味で希少な物質として扱われています。
「レアメタル」と「レアアース」の違い
「レアメタル」は産業的に利用されている、希少な非鉄金属の総称です。
「レアアース」は「レアメタル」の中でも、希土類として一括りにされている元素や物質になります。
「レアメタル」地殻に含まれている埋蔵量も含めた地球上に存在する量が少ないものもあり、資源の枯渇が懸念されているものも多いです。
それに対して「レアアース」は核分裂によってのみ生まれるプロメチウム以外、どれも地殻内に多く存在していて、資源が枯渇する心配はないという違いもあります。
希少で価値が高いけれど産業には欠かせない物質が「レアメタル」、その中の一種として扱われる17の元素が「レアアース」です。
まとめ
「レアメタル」も「レアアース」もどう役立つかわからず、違いを説明されてもピンとこない人も多いでしょう。
ですが高価な指輪の素材として使われるプラチナが「レアメタル」であったり、「レアアース」の一つであるセリウムはスマホなどの液晶に使われていたりと、意外と身近な場所にも使われています。