「配賦」と「按分」の違いとは?分かりやすく解釈

「配賦」と「按分」の違いとは?違い

確定申告には、やらなければならないことがたくさんあります。

その一つが、事業に必要であった経費を算出することです。

そのために、行うのが費用を事業用途と個人用途に分ける按分です。

やり方は自分で決められますが、要求があった場合にはきちんと説明できる根拠がなければいけません。

それでは、ここで出てきた「按分」とは、どういう意味でしょうか。

似たような意味の言葉として「配賦」もあります。

この2つの違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、「配賦」「按分」の違いを分かりやすく説明していきます。

「配賦」とは?

「配賦」とは、「あらかじめ決定した割合で、配分すること」ですが、ほとんどの場合は、配分するのは「経費」であり、「配賦」と言う作業は経理業務における経費計算の際の勘定科目への配分に使用される言葉です。

具体的には、工場の電気代を、製造に使用したものと、事務に使用したものに割合で配分して、それぞれの勘定科目に振り替えるような作業です。

を英語では、「allocate」でしょう。


「按分」とは?

「按分」とは、「あらかじめ決定した割合で、配分すること」です。

配分するのは計算できるこのならなんでも対象になります。

例えば、3人でランチに焼肉を食べて、それぞれが食べた枚数に従って料金を分割して支払うというようなカジュアルな例から、序文で述べたような確定申告の際の個人と事業の費用を分ける方法など、色々な場合に使えます。

金銭だけではなく、例えば、ホールケーキを5人で分かるような場合にも使われます。

「案分」という文字も使いますが、基本的には同じです。

英語では、「divide」が近いでしょう。


「配賦」と「按分」の違い

「配賦」「按分」の違いを、分かりやすく解説します。

この2つの言葉は、ともに「ある基準に従って、何かを割り振ること」という意味では同じです。

また、主に金銭の割り振りの時に使用されるという意味でも同じと言えるでしょう。

違うのは、「配賦」が主に「経費の配分」に関して使用される言葉であるのに対して、「按分」は、それ以外の多くの場合にも使用されるということです。

そういう意味では、「按分」の方が、一般の人々の生活には近い言葉であると言うこともできます。

「配賦」の例文

「配賦」の例文は以下のようになります。

・『月次の会計処理での費用の配賦は、決められた基準に従って自動処理されています』
・『部門別配賦には、直接配賦法を使用しています』

「按分」の例文

「按分」の例文は以下のようになります。

・『今回、かかった費用は部門ごとに按分して請求いたします』
・『今後の利益の還元は、出資額に応じて按分することになります』

まとめ

この記事では、「配賦」「按分」の違いを、解説してきました。

確定申告の基礎計算の中で、行う必要があるのは「按分」ですが、これを会計処理の一環と考えれば、それは同時に「配賦」の作業とも言えます。

確定申告における「按分」の基準は、面積であったり、使用時間であったりしますが、重要なことはそれらの割合が適切かどうかということです。

そこを誰もが納得できる割合にしておかないと、後で問題になることもあります。

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