この記事では、「意趣返し」と「仕返し」の違いを分かりやすく説明していきます。
とても似た雰囲気を持つ二つの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか。
「意趣返し」とは?
「意趣返し」は「いしゅがえし」と読みます。
「意趣返し」には、「恨みを返すこと」という意味があります。
「復讐」のことで、誰かから嫌がらせをされたり、嫌な目に遭わされたと感じた人が、その復讐をすることを「意趣返し」と呼びます。
例えば、会社の上司に嫌がらせをされて、退職に追い込まれた人がいるかもしれません。
このような人が、退職後に上司を殴りにやってくるとき、恨みを返したと考えることができます。
このような時「意趣返し」という言葉を使います。
「A君が意趣返しで、部長を殴ったらしいよ」などという文章を作ることができます。
ただし「意趣返し」は、かなり仰々しい言葉で、あまり一般的には使われていない言葉になります。
恨みが強い時、また恨みを持つ人、持たれる相手が、国の要職に就く人などの場合に限定されて使われている言葉だと知っておきましょう。
「仕返し」とは?
「仕返し」は「しかえし」と読みます。
「意趣返し」と比較して、よく見る言葉ではないでしょうか。
「仕返し」にも「意趣返し」とよく似た「報復すること」「復讐すること」という意味があります。
例えば、彼氏に浮気をされた女性が、彼氏に報復するために、浮気をやり返すかもしれません。
このような時、「彼氏に仕返しをするため、彼女も浮気をした」というような文章にすることができます。
また、「仕返し」には「やりなおすこと」「仕返すこと」という意味があります。
例えば、仕事の作業中に邪魔が入ってしまい、仕切り直しをして、作業をやりなおすことがあるかもしれません。
このような時、「作業を仕返す」というように、「仕返し」を使うことができます。
「意趣返し」と「仕返し」の違い
「意趣返し」と「仕返し」の違いを、分かりやすく解説します。
「意趣返し」と「仕返し」の違いの一つとして、「仕返し」という言葉には「やり直すこと」という意味があるという点があります。
「意趣返し」にはそのような意味が含まれていません。
また、「意趣返し」と「仕返し」には、「復讐すること」という共通した意味がありますが、日常的に使用するのは「仕返し」になります。
「意趣返し」は、「報復すること」を仰々しく言いたいときに使う言葉となります。
例えば、国家間、企業間の報復時に使ったり、長年パワハラを受けてきた人のように、恨みが積もっている人が「意趣返し」という言葉を使います。
個人間でのいざこざの報復をするときは、基本的に「仕返し」を使った方がいいかもしれません。
まとめ
「意趣返し」と「仕返し」の違いについてみてきました。
二つの言葉はよく似ていますが、恨みの大きさや報復する人、報復される人などの違いによって、使い分けることができそうです。
どちらを使えばいいか迷ったときは、「仕返し」を使っておけば間違いないのではないでしょうか。