この記事では、「夫々」と「各々」の違いを分かりやすく説明していきます。
「夫々」とは?
「夫々」の読み方は「それぞれ」です。
複数の人や物などに対し、ひとりひとり、ひとつひとつといったことを表す言葉です。
「夫々」の対象の幅は広く、人や物など、様々なことに対し使用することができる言葉です。
そのため、「夫々」は、「ひとつひとつ」や「ひとりひとり」をはじめ、「個々」、「各個」、「別個」、「個別」などと言い換えることができます。
「夫々」の使い方
「夫々」は、「ひと夫々」や「夫々の道」、「夫々のペース」、「夫々の意気込み」などといった使い方のほか、「夫々に働く」や「夫々に上手です」、「夫々に進める」などといった使い方もあります。
「各々」とは?
「各々」の読み方は「おのおの」です。
多くのもののそれぞれ、といった意味があり、大勢いる人の中から、ひとりひとりを個別に対象とする際に用いる言葉です。
そして、この「各々」は人に対してのみ使用することができる言葉です。
そのため、多くの物の中から、ひとつひとつを個別に対象とする際に用いることはできません。
そのため、「各々」は、「めいめい」、「各自」、「一人一人」、「それぞれ」と言い換えることができます。
「各々」の使い方
「各々」の使い方は、「学生各々」や「クラス各々」、「各々のプラン」、「各々の作品」などといった使い方のほか、「各々で用意する」や「各々で発表する」などといった使い方もあります。
「夫々」と「各々」の違い
「夫々」と「各々」は、複数あるなかから、ひとつひとつを選ぶといった共通の意味を持つ言葉です。
そのうえで、何を対象にし用いることができるのかといった違いが両者にはあり、その点が「夫々」と「各々」の違いとなります。
「夫々」の場合、対象になるものは、人だけではなく、物やものごとなど、どのようなものに対しても用いることが可能です。
それに比べて、「各々」が対象とするものは、人のみとなります。
そのため、人以外に「各々」を用いることはできません。
この点が大きな違いとなります。
「夫々」の例文
・『個別指導では、わからない問題に対し夫々の生徒にあった教え方をしてくれるのでわかりやすくて助かります。』
・『急ぐ必要はありません。夫々のペースにお任せします。』
・『同じように育てたつもりの姉妹でも、洋服の好みは夫々です。』
・『今日は帰宅時間遅いので、家族夫々、好きな時間に夕食を食べてください。』
「各々」の例文
・『今回の文化祭は、クラス各々、様々な企画を準備しています。』
・『最後、各々の好みの塩加減で味付けしてください。』
・『今回、必要な道具は各々でご準備をよろしくお願いいたします。』
・『携帯電話のプランは、各携帯電話会社で各々のプランがあり、どのプランがお得なのか迷ってしまいます。』
まとめ
以上のように「夫々」と「各々」は対象とする範囲が異なる言葉となります。