この記事では、「やきもち」と「束縛」の違いを分かりやすく説明していきます。
「やきもち」とは?
「やきもち」とは、他人を嫉妬【しっと】する気持ちのことです。
ねたみうらやむことを指し、「やきもちをやく」といった使い方をします。
「やきもちをやく」という言葉の語源は諸説ありますが、他人を嫉妬することを意味する「妬く」【やく】と「焼く」【やく】を掛け、そこに「焼き餅」をくっ付けて「やきもちをやく」と言うようになった説が一般的です。
「妬く」とは、自分より良い思いをしている者を憎らしく思うことで、餅を焼くことと意味のつながりはありません。
単に、慣用句としてリズムを良くするために焼餅を付け、「やきもちをやく」と言うようになったと考えられています。
「やきもち」は主に、自分の恋人がほかの異性と仲良くしているとき、子どもの親がほかの兄弟に愛情を注いでいるときなどに持つ、やっかみや腹立たしい気持ちを指します。
「やきもち」の類語は「嫉妬」「ジェラシー」「やっかみ」などです。
これらは自分より良い思いをしている者に対するねたみやそねみを指します。
これらは「やきもち」とはほぼ同じ意味を持ちますが、「やきもち」のほうが口語的であまりシリアスな感じがしていません。
その分、「やきもち」のほうが日常会話で使いやすい表現といえるでしょう。
「やきもち」の例文
・『妻はやきもちやきで、ちょっと帰宅が遅いだけですぐに浮気を疑う』
・『子どもは弟が生まれたらやきもちを焼いて、赤ちゃん返りをするようになった』
「束縛」とは?
「束縛」【そくばく】とは、物が動けないように縛りつけること、人の行動や思想などを制限して自由を奪うことです。
使われている漢字の意味を見てみると、「束」はばらばらになっているものを一つにまとめること、「縛」はしばること、自由を奪うことを表しています。
これらを組み合わせた「束縛」はまとめてしばることを指し、物や人が勝手に動かないよう何らかの形でしばりつけることを表します。
「束縛」は主に二つの意味で使われます。
一つは物理的、化学的に物質の動きが拘束され、自由に動けなくなる現象のことです。
もう一つは、人が自由に振る舞うのを阻止するため行動や思想をしばりつける行為を指します。
一般には後者の意味で用いられることが多いです。
恋人が交際相手に対し、または親が我が子に対し、愛情の強さゆえに独占したい気持ちから相手を過剰に干渉する様子を表します。
類語には「拘束」「制限」などがあります。
「拘束」はとらえて動けないようにすること、「制限」は限られた範囲から出ないようにすることを指します。
「束縛」の例文
・『彼女は僕を束縛したがるので時々疲れるよ』
・『社会のルールに束縛されず、自分の思い通りに生きてみたい』
「やきもち」と「束縛」の違い
「やきもち」と「束縛」の違いを、分かりやすく解説します。
「やきもち」は他人を嫉妬する気持ちのこと、「束縛」は人や物の動きを制限して自由を奪うことです。
「やきもち」は感情の一種、「束縛」は現象や人の行動であり、両者の意味にははっきりした違いがあります。
どちらも愛情の裏返しで起こることが多く、「やきもち」が動機となって相手を「束縛」するケースも少なくありません。
まとめ
「やきもち」「束縛」はどことなく近い印象も受けますが、互いの意味は異なります。
日常会話、特に恋愛の話題などで使うことの多い言葉です。
意味や違いを把握したうえで上手に会話に取り込んでいきましょう。