テレビで、刑事ドラマを見ていると、刑事たちが地道な捜査を行なって、いろいよ犯人と対峙したときに言うのが「12時20分、殺人の容疑で逮捕する。
犯人確保しました」というようなセリフです。
ここで使われている「逮捕」とは一体どう意味でしょうか。
また、「身柄確保」とはどう違うのでしょうか。
この記事では、「身柄確保」と「逮捕」の違いを分かりやすく説明していきます。
「身柄確保」とは?
「身柄確保」とは、「相手の身柄をこちらの支配下に置いて自由に活動できないようにする」ということです。
「身柄」には「本人からだと意思」という意味があり、「確保」には「自分の支配下に置く」という意味があるので、合わせて前述のような使われ方をします。
また、もっと軽い場合にも使用され、例えば「レストランの席の確保」のような用法もあります。
英語では、「custody」が近いのですが、全く同じとは言えません。
「逮捕」とは?
「逮捕」とは、「逮」が「追いかける」という意味で、「捕」が「捕まえる」という意味なので、合わせて「追いかけて捕まえる」という意味になります。
しかし、通常はここに「相手の自由を奪う」というニュアンスも加わります。
通常使われるのは、「裁判所の逮捕状に従って被疑者を捕まえて拘束する」行為を呼びます。
これには法律的な拘束力があります。
英語では「arrest」と言います。
よく使われる表現としては、「You are under arrest(逮捕します)」です。
「身柄確保」と「逮捕」の違い
「身柄確保」と「逮捕」の違いを、分かりやすく解説します。
これらの言葉は、警察官が被疑者を支配下に置くという意味では同じように使われますが、実は全く意味が違う言葉なのです。
つまり、「逮捕」は法律上の用語であり、裁判所が発行した逮捕状に従って行われるものですが、「身柄確保」は、あくまでも任意のお願いによるものであり、法律的な拘束力はないということです。
「身柄確保」の例文
「身柄確保」の例文は以下のようになります。
・『被疑者の身柄を確保しましたが、任意の聴取には応じませんでした』
・『凶悪犯の身柄確保の際には、細心の注意をする必要があります』
「逮捕」の例文
「逮捕」の例文は以下のようになります。
・『逮捕状の執行時には、内容を読み上げることが重要です』
・『逮捕されたからといって、裁判で審理されなければ有罪であることにはなりません』
まとめ
この記事では、「身柄確保」と「逮捕」の違いを、解説してきました。
ここまで解説したように、「身柄確保」には法律的な意味も、強制力も無いことがお分かりになったと思います。
しかし、実際に警察に連れて行かれたとすると、事実上警察の支配下に置かれることとなり、本人にとっては「逮捕」と変わりません。
このような状況では、心理的なプレッシャーによって通常の精神状態ではなくなってしまい、正常な判断力を書くことにもなります。
冤罪を防ぐためにも、「身柄確保」には細心の注意が必要なのです。