「待避」と「退避」の違いとは?分かりやすく解釈

「待避」と「退避」の違いとは?違い

なにかを避けることを表す言葉として「待避」「退避」という2つの表現があります。

どちらも同じく避けることを意味する言葉ですが、どのような違いで使い分けられているのでしょうか。

今回は、「待避」「退避」の違いについて解説します。

「待避」とは?

「待避」とは、「自分に迫ってくるものに対し安全な場所などで過ぎ去るまで待ち回避すること」という意味の言葉です。

「待避」を簡単に説明するならば「待って回避する」ことを意味します。

なにかを避けるときに取りうる選択肢は積極的に向かっていって被害を少なくしたり対策や対処を講じて影響を抑えたりなどいろいろな選択肢があります。

「待避」「迫り来るものに対して積極的に何かをすることなく脇にさけたり隠れたりなどの方法で安全を確保し被害に巻き込まれなくなるまで回避する」という被害のよけ方を意味する言葉です。

自らの安全を確保し被害を抑え回避することはできますが、避けるべき対象となるものはそのままの影響をあたえるので自分以外の被害や犠牲を抑えることはできません。

例えば「台風を待避する」とき自分は安全な場所で台風が過ぎ去るのを待つので被害は回避できますが、他の人や建物の被害はなすがままです。


「待避」の使い方

・列車が通過するので安全地帯で待避する。

・台風が接近しているので船を守るために沖に出て待避する。

・暴徒が過ぎ去るまでじっと身を寄せて待避していた。

・町民はすべて公民館で待避中だ。


「退避」とは?

「退避」とは、「その場から離れて危険を回避すること」という意味の言葉です。

「退避」「退」には「しりぞく」と読み「後ろにさがって逃げる」という意味があります。

「被害を回避するために現場から後方へ下がる」というのが「退避」の表している本来の意味で、そこから転じてば「被害を避けるために逃げ出すこと」という意味で使われています。

基本的には危険やトラブルを避けるために一時的にその場を離れることを意味しており、問題解決後は再びその場に戻ってくるときに使われる言葉です。

回避する時の意思や希望を表しているので「退避」した後に事情が変わり戻ってこれなくなることもありますが臨時措置の意味合いを含む言葉です。

「退避」の使い方

・地震が発生したので現場から退避する ・氾濫の危険性があるため自宅退避が勧告された。

・すぐに退避しないと事件に巻き込まれる恐れがある。

・いつでも退避できるよう荷物をまとめておく。

「待避」と「退避」の違い

「待避」「退避」の違いは「移動距離」です。

「待避」は大きく移動せず事件やトラブルなどがおさまるまでその場で待って回避することを意味します。

脇に避けたり隠れたりなど多少は移動しますが基本的には積極的に行動せず現場にとどまり続け移動距離も最低限です。

「退避」は影響を回避するために安全な場所に大きく移動することを意味します。

今いる場所では被害にあう可能性が高いので場所を移ることが被害を避ける最良の方法である場合に選択されます。

現場近くで待ち続けるのが「待避」、現場から大きく離れるのが「退避」で移動距離に大きな違いが見られます。

まとめ

「待避」「退避」は意味が近く混同しやすい言葉ですが明確な違いがあります。

混同しないようそれぞれの意味を正しく知っておきましょう。

違い
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