「無常」と「無情」の違いとは?分かりやすく解釈

「無常」と「無情」の違いとは?違い

この記事では、「無常」「無情」の違いを分かりやすく説明していきます。

「無常」とは?

「無常」には2つの意味があります。

ひとつは、常に変わらないものなどないです。

「無」には、ない、存在しないという意味、「常」には、つね、いつまでも変わらないという意味があります。

このことからも、「無常」にはいつまでも変わらないものはないという意味があることがわかります。

岩石は、いつまでもそこにあり、いつまでも変わらないように思えます。

しかし、肉眼ではわかりにくいですが、風雨などによって、少しずつ変化をしています。

人間の一生よりも長い年月をかけて、やがてかけらになります。

永遠に変わらないものはないのです。

もう一つの意味は、人の死のことです。


「無常」の使い方

すべてのものは変化をしており、永遠に変わらないものはないという意味で使用をします。

「無常観」という使われ方もします。


「無情」とは?

「無情」には2つの意味があります。

ひとつは、情がないことです。

情とは、他人に対する思いやりの気持ちです。

他人に対する思いやりの気持ちがないことを「無情」といいます。

自分の楽しみの時間を壊されたことで考えてみます。

Aさんは、毎日とても忙しく過ごしていました。

それでも1日10分くらいなら、自分の好きなことに使える時間を作ることができます。

この時間を毎日とても楽しみにしていました。

この時間があるからこそ、忙しい毎日にも耐えることができます。

それにもかかわらず、ある人がこの人の楽しみの時間を奪ってしまいました。

この人は、Aさんには毎日の楽しみの時間があることを知っています。

その時間を大切にしていることも知っています。

それなのに、大切な時間を奪っていまったのです。

これは、相手の気持ちに配慮しておらず、思いやりがないといえるでしょう。

もう一つの意味は、仏語で、精神や感情の働きがないこと、またそのものです。

草木や瓦石などのことをいいます。

瓦石は自ら動くことがなく、話すこともなく、精神や感情などの働きがないようにみえます。

「無情」の使い方

思いやりの気持ちがないさまを指して使用する言葉です。

「無常」と「無情」の違い

どちらの言葉も「むじょう」と読みは同じですが、意味は異なります。

「無常」は、変わらないものはないという意味です。

すべてのものは変化をし、永遠に変化をしないものはないことをいいます。

「無情」は、思いやりの気持ちがないさまです。

人間らしい心を持っていない意味合いです。

「無常」の例文

・『諸行無常』
・『無常気』
・『無常観を持つ』
・『無常な世の中』

「無情」の例文

・『無情にもコーンからアイスが落ちた』
・『無情にも雨脚が強くなる』
・『無情な言葉に傷つく』
・『無情な対応』

まとめ

「むじょう」と読みは同じですが、2つの言葉の意味は異なります。

一方は常に変わらないものはないこと、もう一方は情がないことを指しています。

違い
意味解説辞典