この記事では、「アンビバレンス」の意味を分かりやすく説明していきます。
「アンビバレンス」とは?意味
“ambivalenz”(アンビヴァレンツ)と書いて「アンビバレンス」と書き、ある者に対して、好きではあるけど嫌いという反比例する感情を表す言葉です。
人が持つ2つの気持ちが心の中で交差する矛盾した感情は、ときに深い愛情を持つ相手ともなりますが、少し間違えば憎悪の対象にもなります。
この二つの感情が対立したとき、「憎しみ」の気持ちが勝てば相手を「嫌い」になり、「愛情」が勝てば「好き」な気持ちになり、それだけ相手のことが気になる存在であり、放ってはおけないと思う者に対して持つ入り乱れた感情を伝えられます。
人が持つ愛憎感情を言い表すこの「アンビバレンス」は、反比例する性質や傾向を持ち、人の心理学から生み出された両面感情を表現する言葉になります。
「アンビバレンス」の概要
愛憎感情を言い表す「アンビバレンス」は、人が持つ愛するがゆえの憎しみの対象となるその「感情」を分かりやすく伝えられる言葉であり、好きになればなるほど自分だけを見ていてほしい、異性と話さないでほしいという独り占め感情を持ちます。
この独り占めしたくなるほど特別な存在は恋人だけではなく、愛情を持つ友人や家族に対しても言えることで、深く、強い絆でつながっている相手であるほど自分の思い通りにいかないときは酷く恨み、傷つけてしまいたくなる感情が交差する二面性を「アンビバレンス」と言い表します。
「アンビバレンス」の言葉の使い方や使われ方
恋人や友人、家族には「好き」以上に特別な愛情を持ち、その人がふと口にした何気ない言葉で嫌いになることもありますが、恋人や家族のように特別な感情がある人はなかなか嫌いになれないその自分の感情を「アンビバレンス」と表現します。
また、人前では明るく気丈に振る舞う社交的な人が家に帰ると一言も話さない内向的な人になってしまうなど二つの感情が入り乱れるさまを表すときにも当てはまる言葉です。
主に、人の内面にある感情を言い表すときの言葉であり、「してみたいのに実行したくない」「食べたいのに食べたくない」という自分同士の気持ちが格闘する場面で使われています。
類義語に「相反性」があるように、「好き」「嫌い」という気持ちが入り乱れる人の感情を表します。
「アンビバレンス」の例文
・『彼女のことは誰よりも愛しているが、ときに別れたい時もある。そんな僕はアンビバレンスに心揺れ動く』
・『可愛い我が子ではあるが、反抗的な態度を見せられると嫌いになるのはアンビバレンスの表れだろう』
・『周囲の人が持っているゲームを買おうか、買わないかで迷う私はアンビバレンスに悩んだ』
誰よりも愛する人であっても、自己中心であったり、自分と話を合わせようとしないのであればいくら好きでも別れたくなるでしょう。
また、可愛い我が子であっても反抗的な態度や言葉ばかり見せる子供を嫌いになってしまうとき、「アンビバレンス」な気持ちに包まれるわけです。
そして、ときに好きな物を買いたくなるほど欲しいと思いますが、買ってもいいものかと迷うその自分の心と格闘することがあります。
まとめ
「好き」でも「嫌い」になってしまう人間の微妙な心境を表す言葉が「アンビバレンス」であり、自分ともう一人の自分が戦い、悩むさまを伝えられます。
もし、そのような状況に陥ってしまったときはもう少し相手の気持ちと向き合うようにして、憎しみを抱かないようにしてみるといいでしょう。