小説などで見かける「八の字を寄せる」とはどんな意味なのでしょうか。
今回は、「八の字を寄せる」の意味と類似表現について解説します。
「八の字を寄せる」とは?意味
「八の字を寄せる」とは、「眉間にしわを寄せている様子」を表す言葉です。
「八の字を寄せる」の概要
眉間にしわを寄せると眉が自然に近づいて漢字の「八」の字のようになります。
そのような様子を指して「八の字を寄せる」と表現します。
「八の字を寄せる」のは考えこんでいるときや不機嫌なときです。
「八の字を寄せる」には外見的に眉がそのような状態になっていることを意味するだけでなく「考えこんでいる」「不機嫌である」などそのような心理状態になっていることを表します。
外見からはっきりと感情が読み取れるほど明確に変化しているというのはその感情がかなり強いものであることの証明です。
「少々気持ちが高ぶったくらいでは変化は見られないものなのに現在ははっきりと八の字を寄せていることが見てわかるほどの感情を抱えている」という気持ちの強さを表しています。
一般的には「むっつりと黙りこんでいるが外見から感情の変化が明らかに読み取れる」という意味で使われています。
喚いたり当たり散らしたりすることなく静かに感情を内側に溜め込んでいる様子が「八の字を寄せる」であり、その静けさがかえって恐ろしい場合によく用いられる表現です。
本人としてもどう言っていいのかわからないような複雑な感情を抱えていることが多く、こうなってしまうと高い確率で話がこじれたるなどややこしいことになります。
あまり上品な仕草ではないので「本来であれば控えるべき仕草をTPOも考えずにしてしまうほど感情が高ぶっている」という意味合いも含まれます。
「八の字を寄せる」の言葉の使い方や使われ方
・『挑戦が失敗に終わったとの報告を聞いた会長が額に八の字を寄せる』
・『むっつりと黙り込んだまま八の字を寄せて考えこむ』
・『思い通りにいかないからといってすぐ八の字を寄せるのはあまりにも大人げない態度だ』
・『報告を聞くとすぐに八の字を寄せるのは解決策を考えているからで、決して不機嫌になっているわけではない』
「八の字を寄せる」の類語や言いかえ
・眉をひそめる
「けげんに思ったり不快に感じたりして眉間にしわを寄せること」を指す言葉です。
「八の字を寄せる」とは外見上ほぼ同じ変化であり言葉の意味もとても良く似ています。
「八の字を寄せる」があれこれと考えているためにそのような表情になっているのに対し、こちらはできれば近づきたくない、見たくないといったストレートな嫌悪感を表します。
・顔をしかめる
「額にしわを寄せて不快な感情をあらわにすること」という意味の言葉です。
「八の字を寄せる」よりも不快や不満の意味合いが強く、できれば関わりになりたくないという嫌悪の感情を隠そうともせずはっきりと見て取れるほど変化させている様子を表しています。
まとめ
日常生活では余り使うことのない「八の字を寄せる」ですが、そのような表情の変化そのものは今でも多くの人がやっています。
あらかじめ知っておかないと意味が理解できない言葉なのでこの機会に覚えておいてください。