この記事では、「遺志」の意味を分かりやすく説明していきます。
お葬式にゆかりのある言葉を、覚えていきましょう。
「遺志」とは?意味
遺志(いし)とは、亡くなった方の思いのこと。
生前に果たすことができなかった、無念の気持ちをあらわしています。
そのため残された遺族などが故人の気持ちを思いやり「故人の意志を受け継ぐ」という言い方をします。
あの世に旅立った人のやり残した仕事、ずっと温めていた志が遺志です。
「遺志」という熟語には「遺」と「志」という2つの漢字が用いられています。
「遺」には「置き去りにする、残していく」という訳があります。
そして「志」は「願望や願い」のこと。
つまり「遺志」には、この世に託していった故人の希望や願いという意味になります。
逝去した方の、生前の夢が「遺志」です。
「遺志」の概要
「遺志」という言葉は、お葬式のシーンで喪主がつかう言い回しです。
例えば出棺の挨拶をおこなうとき「故人の遺志を受け継いで、家族で力をあわせて頑張っていく所存でございます」などと使います。
また職場の関係者が遺族に対して弔辞を送るとき「社員が一丸となって、先生のご遺志を受け継いでまいります」という言い方をします。
亡くなった方の思いや、意向をあらわすのが「遺志」です。
ちなみに「遺志」とよく似た熟語に「意思」や「意志」があります。
意思は個人の思いのこと。
意志は、個人の信念をあらわします。
喪の席では「意志」や「意思」は用いられず、この世に伝えていったという意味で「遺志」をつかいます。
弔電を打つときなどには、留意しておきましょう。
「遺志」の言葉の使い方や使われ方
「遺志」はこのように使います。
・『亡き父の遺志を受け継いで、家業を継ぐことにした』
・『親友の遺志を受け継いで、公園の清掃活動に励んでいる』
・『故人の遺志を受け継ぎ、職務に邁進してまいります』
「遺志」は亡くなった方が、生きている人に託す思いのこと。
そのため「バトンを受け取る」という意味合いで使われます。
「遺志を継ぐ」や「遺志を受け継ぐ」と使います。
「遺志」の類語や言いかえ
「遺志」と同じような言葉に、次の用語もあります。
・故人の思い
・先代の思い
・在りし日の願い
「遺志」には亡くなった方が、生前に思っていた考えや志を指します。
そのため「故人の思い」や「亡き方の思い」と置きかえできます。
また「先代」とは、今の当主よりひとつ前の代のこと。
使われるシーンが限られてくるので、注意しておきましょう。
このほか「在りし日の希望」や「在りし日の思い」なども代用できます。
まとめ
「遺志」の意味と使い方を、おさらいしました。
「遺志」とは亡くなった方の志のこと。
仕事観や人生観などをあらわします。
そのためお葬式のシーンで、家族や関係者が用いる表現になります。
「故人の遺志を受け継ぐ」や「亡き方の遺志を継ぐ」という言い回しをします。
いざという時に役立ててみてください。