子供に対して使われる言葉として「麒麟児」という表現があります。
軽々しく使われることのないこの言葉、いったいどのような意味なのでしょうか。
今回は、「麒麟児」の意味とよく似た意味をもつ類似表現について解説します。
「麒麟児」とは?意味
「麒麟児」とは、「とても優れていて将来が楽しみな子ども」を意味する言葉です。
「麒麟児」の概要
「麒麟児」は「まだ年若いのにとてもそうとはは思えないほど豊かな才能が感じられる子ども」に対して使われる表現です。
「麒麟児」の「麒麟」とは中国で神話の時代にいたと伝えられている空想上の動物のことです。
獅子の頭に虎の尾、鹿の角と体に牛の尾と馬の蹄、龍の鱗を持つとされる空想上の神獣「麒麟」は才能豊かな者のもとに姿を表し繁栄に導く、という伝説をもつとても神聖でありがたい生き物です。
そのような貴重で滅多に出会えないような珍しい生き物になぞらえて「普通では考えられないほどの才能に恵まれている将来性豊かな子ども」のことを「麒麟児」と呼びます。
「麒麟児」に具体的な基準や定義などはありません。
一般的には「子どもの範疇から外れた才能を持つ者」や「大人顔負けの能力を発揮する子ども」を指しますが、評価される才能は多岐にわたります。
スポーツや芸術などの才能が優れている子どもに対して使われることもありますが、基本的には勉強など頭脳が優れている子供に対して用いられる表現です。
「麒麟児」という言葉は現時点での完成度ではなく「将来性」を重視しています。
このまま順調に成長すればそんじょそこらの大人では太刀打ち出来ないほど優れた人物になるだろうと想像されるような子どもが「麒麟児」に当たります。
厳密な年齢制限などはありませんがまだ才能が十分に開花していない子どもに対して使われる表現なので成人に対して用いることはありません。
昔の感覚で言えば元服前、現代の感覚で言えば10代以下に対して使うのが適当です。
元々は少年のみに対して使われていた言葉ですが現在では少女に対して使っても間違いではないとされています。
「麒麟児」の言葉の使い方や使われ方
・『小学校入学前に方程式を理解したこの子はまさに麒麟児と呼ぶにふさわしい』
・『子供の頃から才能に溢れ麒麟児と呼ばれていた彼が見事に才能を開花させた』
・『少々優秀だからといって麒麟児扱いするのは持ち上げ過ぎではないだろうか』
・『昔は麒麟児と呼ばれるほどだったが成人した今ではすっかり凡人だ』
「麒麟児」の類語や言いかえ
・神童
「神に選ばれた者だけが持つようなずば抜けた才能や実力を持つ子ども」を意味する言葉です。
大人顔負けの実力や才能を持つ子どもに対して使う表現で「麒麟児」とは非常に親しい意味合いです。
「麒麟児」が将来性を重視した表現であるのに対し、こちらは年齢に見合わないほど完成した才能を発揮していることに重きをおいています。
・駿才
「これからが楽しみなほど豊かな才能を持つ人」を意味する言葉です。
極めて優れていることを意味する言葉で子供以外にも使われる表現ですが、子どもに対して使う場合は「麒麟児」と同じような意味で用いられます。
まとめ
「麒麟児」はまれに見るほど優秀な才能を持つ子どもに対して使われる表現なので軽々しく使うものではありません。
必ずしも将来を保証するものではなく伸び悩むこともあるので注意しましょう。