遺言書にまつわる言葉は、色々とあります。
この記事では、「検認」と「承認」の違いを分かりやすく説明していきます。
大切な言葉を知って、実りのある人生を歩んでいきましょう。
「検認」とは?
検認(けんにん)とは、裁判所が遺言書の内容を調べること。
相続人に「遺言書にどんなことが書いてあったのか」お知らせする作業です。
検認の申し立てをおこなうのは、遺言書を預かっていた人、遺言書を見つけた人です。
故人が亡くなったあと、できるだけ早い段階で家庭裁判所に手続きをおこないます。
検認という作業があるのは、家庭裁判所という第三者機関をとおすことで「遺言書の偽造を防ぐため」です。
裁判所の調査が終わると「たしかに確認しました」という意味合いの「検認調書」が発行されます。
検認をおこなわなくても良いパターンは、いくつかあります。
ひとつは遺言書が発見されなかったとき。
そして遺言書を法務局に預けていたときです。
また公証人がいる「公正証書」の場合も、検認をおこなう必要はありません。
「承認」とは?
承認(しょうにん)とは、認めること。
相続の世界では「相続する意思があります」と認めることを意味しています。
そもそも「相続」とは、故人の財産を受け継ぐことです。
法律上は子ども、両親、兄弟などが相続人となります。
相続と聞くとお金持ちになれるというイメージがありますが、実際はそうとも言い切れません。
故人の借金もすべて引き継がなくてはいけないので「負債の処理」を担わなくてはいけないこともあります。
このため相続人の権利を考えて「相続の承認」という制度が設けられています。
これは相続したいのか・したくないのか、相続人が自由に選べるもの。
相続する場合は「承認」、相続しない場合は「放棄」といいます。
故人の財産や負債を受け入れるのが「承認」です。
「検認」と「承認」の違い
どちらも難しい法律用語です。
「検認」と「承認」の違いを、分かりやすく解説します。
・家庭裁判所の「検認」相続人の「承認」
どちらも遺言書や相続にまつわる言葉です。
両方とも「みとめる」という言葉が含まれるので、紛らわしいです。
注目したいのは、誰がおこなうのかという点です。
家庭裁判所がおこなうのが「検認」。
対して相続する人がおこなうのが「承認」です。
「検認」は家庭裁判所が、遺言書の内容を調査すること。
遺言書を見つけた人は、速やかに家庭裁判所に検認をおこなってもらう必要があります。
また承認は、相続人が「相続します」と意思表示をおこなうことです。
遺言書にまつわるのが「検認」。
相続にゆかりがあるのが「承認」です。
まとめ
「検認」と「承認」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも故人が亡くなった後におこなう、法律上の手続きのことです。
検認は家庭裁判所が、遺言状の内容をチェックすること。
そして承認は、相続人が「相続する意思がある」と表明することです。
どちらも大切な言葉のため、中身を正しく理解しておきましょう。