関東の人が関西で戸惑う言葉のひとつとして「モータープール」があります。
地域差が大きいこの言葉はいったい何を指しているのでしょうか。
今回は、「モータープール」の意味と類似表現について解説します。
「モータープール」とは?意味
「モータープール」とは「駐車場」という意味の言葉です。
「モータープール」の概要
「モータープール」という言葉は主に関西地方で使われます。
言葉そのものは元から存在する言葉ですが関東地方ではほとんど使われることがなく実質的には関西方言に近い存在です。
「モータープール」のように特定の地域でのみ使われている言葉を「地域語」と言います。
「モータープール」という言葉は本来「業務のために多くの車両を止めておく場所」を意味する言葉です。
自動車メーカーが出荷前の新車を並べておいたり軍隊の基地に軍事車両をまとめて駐車していたりするような場所が本来の意味での「モータープール」にあたります。
「モータープール」の「プール」には「使うために貯めておく」という意味があります。
一般的には泳ぐために水を貯めておく場所のことを「プール」と呼びますが使うためにお金をためておくことを「資金をプール」すると表現するなど「今すぐには使わないが将来的に使う予定があるものを一時的に保存しておく」のが「プール」です。
「モータープール」が指すのは「モーターつまり車両を貯めておく場所」のことで「必要な時が来たら乗り込んで出発できるよう駐車しておく場所」であることを強調しています。
なぜ関西のみで「モータープール」という言葉が使われているのかは定かではありません。
関西では「モータープール」という言葉は戦後すぐには使われていたのが確認されています。
進駐軍が車両を止めるのに使っていた場所が「モータープール」と呼ばれていて、進駐軍の撤退後同じ場所を引き続き駐車場として使用したことから名前がそのまま引き継がれた名残が今に続いているという説が有力ですが確たる証拠がなく真相ははっきりしないままです。
「モータープール」の言葉の使い方や使われ方
・『モータープールに車を停める』
・『駅前のモータープールは料金が高いので少し離れた場所に停める』
・『関東ではほとんどモータープールという言葉を目にすることがない』
・『モータープールの看板を見かけた』
「モータープール」の類語や言いかえ
・パーキング
「自動車を駐めておくための場所」を意味する言葉です。
本来は「車を停めること」を意味する言葉ですがそこから転じて「車を停めるために設けられた場所や施設」という意味で使われています。
関西で「モータープール」と呼ばれている駐車施設を関東では「パーキング」と呼んでいます。
・有料駐車場
「お金を払って自動車を停められる場所」を意味する言葉です。
「モータープール」は基本的に有償の施設に対して使われる言葉で自宅の駐車場など無料で車を停める場所には用いられません。
月単位で契約を結ぶ「月極駐車場」や時間単位で料金が変動する「コインパーキング」なども近しい意味合いです。
まとめ
「モータープール」は関西都関東で認知度に大きな開きのある地域性の強い言葉です。
関西の人はこの言葉が全国区でないことに驚くことが多く、ずっと関西で生活している人の中には年令を重ねても関西地域独特の表現だということを知らない方もいます。
カルチャーギャップに戸惑わないよう言葉の意味を知っておきましょう。