この記事では、「拡張」と「拡大」の違いを分かりやすく説明していきます。
「拡張」とは?
「拡張(かくちょう)」とは、「人が意図的(人為的)に、勢力・規模・範囲・大きさなどを広げて大きくすること」を意味している言葉です。
「拡張」の表現には、「自然にではなく、人の意図・行為で広げて大きくした」という意味のニュアンスがあります。
例えば、「米国と対峙する中国がここ20年で、世界における勢力を拡張しました」などの文章で使われます。
また「拡張」には、「パソコンのストレージ(保存領域)を拡張しました」のように「目に見えない対象にも使用できる」という特徴があります。
「拡大」とは?
「拡大(かくだい)」とは「意図的に広げて大きくすること」を意味している表現で、「画像を拡大する」などの文章で使われます。
一方で「拡大」の表現には、「(人の意図・行為とは関係なく)自然に広がって大きくなること」といった意味合いも備わっています。
例えば、「大雨による浸水被害が各地で拡大しています」といった例文で使用されます。
また「拡大」には「抽象的・思考的なレベルで広げて大きくする」の意味のニュアンスがあり、「拡大解釈」などで使われます。
「拡張」と「拡大」の違い!
「拡張」と「拡大」の違いを、分かりやすく解説します。
「拡張」も「拡大」もどちらも、「ある対象の大きさ・範囲・勢力などを、意図的に広げて大きくすること」という類似の意味を持っています。
しかし、「拡張」は「意図的に広げて大きくすること」に意味の重点が置かれているのに対して、「拡大」のほうには意図的に広げて大きくするだけではなくて、「人の意図・行為とは関係なく、自然に(勝手に)広がって大きくなる」というニュアンスがある違いを指摘できます。
例えば、「台風の勢力が拡大する」の文章は「台風という自然現象が人の意図(思惑)とは関係なく、自然に広がって大きくなること」を意味しているので、「台風の勢力が拡張する」というと不自然な印象の文章になってしまう違いがあるのです。
さらに「拡大」には「拡大解釈」のような「抽象的レベルで広げて大きくする」の意味を持つ慣用句もありますが、「拡大解釈」を「拡張解釈」と言い換えることはできません。
まとめ
「拡張」と「拡大」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「拡張」とは「大きさ・勢力(範囲)・規模などを意図的に広げて大きくすること」を意味していて、「拡大」は「意図的に広げて大きくすること」や「自然に(勝手に)広がって大きくなること」を意味している違いがあります。
「拡張」と「拡大」の違いを詳しく知りたい時は、この記事をチェックしてみてください。