「決めかねる」
「決めかねる」は「きめかねる」と読む言葉で、ビジネスシーンではよく使われている言葉ですが、日常生活では、あまり登場しない言い回しではないでしょうか。
「決めかねる」の意味
「決めかねる」は「決めることが出来ない」、「決めることが難しい」という意味の表現で、「決める」には、「不確かな物事をはっきりさせる」という意味があり、「決定」、「決着」、「決心」など、よく使われている言葉があります。
そして、「かねる」ですが、これは、「出来ない」、「することが難しい」という意味の「為兼ねる(しかねる)」という言葉からきています。
「分かりかねます」、「回答しかねます」、「お受け致しかねます」など、ビジネスシーンでは、よく耳にする言葉が多くあります。
「決めかねる」の言葉の使い方
「決めかねる」は、「決めることが出来ない」、「決めることが難しい」というのを、遠回しに表現した言い回しですので、「決められません」ということをやんわりと伝えたい時に使われます。
丁寧な言い回しで、主にビジネスで使っている人が多い言葉ではないでしょうか。
「決めかねる」を使った例文・短文(解釈)
「決めかねる」の意味と使い方が分かったところで、この言葉を使った例文をいくつかご紹介します。
「決めかねる」の例文1
「非常に良いご提案ですが、この場では決めかねます」
この文章は、とても良い提案をしていただきましたが、この場で決めることは難しい、という意味になります。
ビジネスでは、タイミングを逃さないことが大切で、即断即決が求められる場面もありますが、一度持ち帰って、熟考した後に回答することが得策な場合もあります。
この選択を誤ると、取り返しのつかないことになるケースもありますので、判断を誤らないようにしなくてはいけません。
「決めかねる」の例文2
「どちらも素敵なデザインなので、どちらを採用するか決めかねています」
この文章は、どちらも素敵なデザインで甲乙付け難く、どちらを採用するか、まだ結論が出ていません、という意味になります。
2つのものを比べて1つを選択するという簡単な作業ですが、例えば新商品のデザインだった場合、どちらを選択するかで売り上げが左右されることも推測できますので、責任重大なのです。
情報を集めたり、これまでの経験をフルに活用したり、2択のために労力と時間を費やす必要が出てくる場合もあるのです。
「決めかねる」の例文3
「発売時期を決めかねている間に他社に先を越されてしまいました」
この文章は、商品をベストなタイミングで発売しようと、その時期を探っている間に、競合する商品が他社から発売されてしまいました、という意味になります。
商品を発売するタイミングというのも売り上げを左右する重要な要素で、タイミングを誤ったために、売り上げが伸びないというケースもあるのです。
しかし、発売時期の決定に時間をかけ過ぎてしまうと、他社から、競合する商品を先に発売されてしまい、後から発売した商品が不利になることもあるのです。
「決めかねる」の例文4
「貴社との業務提携については、まだ決めかねています」
この文章は、貴社との業務提携については、まだ決めるのが難しい状況です、という意味になります。
この文章の場合、業務提携には前向きですが、色々と検討したり調整しなくてはいけないことが多く、まだ決定することができません。
という意味にも捉えることができますが、積極的に業務提携しようとは考えていないです、ということを遠回しに言っているとも捉えられます。
こういった場合には、いかにして相手の本心を読むかが鍵となってくるのです。