「あぶく銭」
「あぶく銭」は「あぶくぜに」と読みます。
「あぶくせん」と読む人がいますが、正しくは「あぶくぜに」です。
本来漢字にすると「泡銭」となるのですが、読みにくい為に「あぶく」と平仮名にすることが多くなります。
「あぶく銭」の意味
「あぶく銭」の意味と語源について紹介します。
「あぶく銭」の意味
「あぶく銭」の意味は「苦労をしないで得たお金」「不正な方法で得たお金」です。
例えば宝くじに当たって何百万、何千万、何億と一瞬のうちに手にしたり、誰かをだまして大金を手に入れた時など、何も苦労をせずにいきなりお金が手に入ることです。
遺産相続や拾得物としてのお金は、弁護士が中に入ったり、警察に届けて時効になるのを待つなどの手間や時間がかかりますので「あぶく銭」とは言いません。
その時だけ大金が儲かるという意味が強く、ギャンブルで得たお金を指すことが多くなります。
但し、ギャンブルで生計を立てている人の中には毎回細かく分析したり、それなりに元手もかかっていることがあります。
それを本業にしている人の場合、儲かっても「あぶく銭」と言わないこともあります。
「あぶく銭」の語源
「あぶく銭」は漢字では「泡銭」で、「泡」は「あわ」のことです。
「あぶく」というのは「あわぶく」を省略した言葉で、「あわがぶくぶくとする様子」から「あわぶく=あぶく」となったと言われています。
苦労をしないで手に入れたお金や、不正な方法で手に入れたお金はありがたみが薄く、贅沢に無駄づかいをしたり高額商品を買ってしまいすぐになくなってしまうものです。
一瞬のうちに泡の様に消えてしまうことから「あぶく銭」と言われる様になりました。
「あぶく銭」の言葉の使い方
「あぶく銭」の使い方には以下のポイントがあります。
良い意味ではないこと
普通お金を稼ぐには苦労が付き物です。
全く苦労をせずに大金が手に入ることですから、良い意味では使われません。
大金を手に入れた人に「あぶく銭」と言うと不快に思われてしまうかも知れないので注意しましょう。
ある程度まとまったお金であること
苦労をせずに儲けたと言っても小銭を拾った程度では「あぶく銭」とは言いません。
少なくとも紙幣レベルの臨時収入の時に使いましょう。
「あぶく銭」を使った例文・短文(解釈)
「あぶく銭」を使った例文と解釈を紹介します。
「あぶく銭」の例文1
「競馬で万馬券に当たってあぶく銭を手に入れた」
この場合、単なる趣味で競馬をやっていて、たまたま万馬券が出て大金を手にしたことを表しています。
プロとして競馬で生活をしている人とは違い、本業があって楽しみとして競馬をして大穴が当たった、という意味です。
「あぶく銭」の例文2
「株のビギナーズラックであぶく銭が儲かった」
株や仮想通貨などは、初心者のうちはそれなりに儲かることもあります。
段々ともっと儲けようと思って投資する金額が増えていき、予想に失敗して大損をこうむることになるのです。
最初のうちに儲かったお金は次の投資に消えてしまい、正にあぶくの様に残らないでしょう。
「あぶく銭」の例文3
「友人の不倫の口止め料として1万円貰った、あぶく銭だし使ってしまおう」
本来誰かの弱みを握りお金を要求するのは犯罪行為です。
しかし不倫の現場を見られた友人が慌てるあまりに「どうかこれで頼む」とお金を渡してきたとすれば犯罪には当たりません。
不正なお金ですのでさっさと使ってしまいたいという後ろめたさを表しています。
「あぶく銭」の例文4
「今日はパチンコであぶく銭が入ったからおごるよ」
パチンコ愛好家は結構な元手がかかっているのですが、儲かった時には気が大きくなりすぐに使ってしまう傾向があります。
貯金をせずにぱっと使ってしまう、まさに「あぶく銭」の使い方を表しています。