「おっとり刀」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「おっとり刀」とは?意味と使い方

この記事では、誤用の多い「おっとり刀」の意味を分かりやすく説明していきます。

「おっとり刀」とは?意味

「おっとり刀」とは「急いで駆けつけるさま」を意味する言葉です。

この言葉は、全く逆の意味で捉えている誤用が多いので、この機会にじっくり正しい意味や使用法を身に付けてもらいたいと思います。


「おっとり刀」の概要

「おっとり刀」は漢字表記では、「押っ取り刀」となります。

この言葉で使われている「押っ(おっ)」「押し」が変化したもので、「押し」には「押し付ける」「押し切る」などと使われるように、「無理に~する」「勢いよく~する」との意味を持つ言葉です。

従って、「押っ取り(おっとり)」「無理やり取るや、勢い良く取る」の意味となり、「おっとり刀」の文字通りの意味は「刀を無理やり取るや、勢い良く取る」と言う意味になります。

この「おっとり刀」「急いで駆けつけるさま」を意味する言葉となった由来は、以下のように言われています。

武士が刀を持って出かける際には、大小2本の刀を腰に差すのが普通でした。

しかしお城から急な招集があったり、緊急事態が生じた場合には、刀を勢いよく手に取って、腰に差す間もなく急いで屋敷を飛び出し駆けつけたのです。

このさまが、まさに「おっとり刀」であり、そこから「おっとり刀」「急いで駆けつけるさま」を意味する言葉となったのです。

しかし、この「おっとり刀」を、全く逆に「ゆっくりと駆けつけるさま」の意味だと間違えて理解している人が意外に多いのです。

これは「落ち着いていてこせこせとしないさまや、おおようなさま」を表現する「おっとり」と言う副詞があり、この言葉が「おっとりとした振る舞い」「動作がおっとりしている」と使われることもあり、そこから生じた間違いと言えます。

ニュアンスの違いのレベルではなく、完全に逆の意味として捉えた間違いであり、誤用しないように注意する必要がある言葉と言えます。


「おっとり刀」の言葉の使い方や使われ方

「おっとり刀」の言葉は、以下の例文のように使われます。

・『家族が事故で怪我をしたと聞けば、誰しもが、おっとり刀で病院に駆けつけるものです』
・『通り魔事件が発せしたと言う通報を受け、最寄りの派出所の警官がおっとり刀で駆けつけた』
・『消防署では、火災の通報で出動要請があれば、おっとり刀で緊急出動できる体制を取っている』

「おっとり刀」の類語や言い換え

「おっとり刀」の類語や言い換えとしては、「慌てて」「焦って」「取る物も取り敢えず」「急いで」「ドタバタと」などを挙げることが出来ます。

まとめ

「おっとり刀」とは「急いで駆けつけるさま」を意味する言葉です。

漢字表記では「押っ取り刀」となります。

この言葉は、全く逆に「ゆっくりと駆けつけるさま」の意味だと間違えて理解している人が意外に多い言葉です。

言葉の意味を正しく理解し、誤用をしないように注意が必要です。

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