この記事では、「おとといきやがれ」と「二度と来るな」の違いを分かりやすく説明していきます。
「おとといきやがれ」とは?
「おとといきやがれ」とは、嫌いな相手を追い返す時、相手をののしるために言う決まり文句です。
「二度と目の前に現れるな」という意味で使われます。
「おとといきやがれ」は江戸時代に普及していたケンカ言葉のひとつです。
「おととい」は二日前を表す「一昨日」【おととい】のことです。
「きやがれ」の「やがれ」は軽べつする相手に言い放つ言葉で「来てみろ」というケンカ腰の口調をつくり出しています。
当然ながら、おとといに来れるはずはありません。
「おとといきやがれ」は、それを承知で「来れるはずのないおとといに、来れるもんなら来てみろ」と言っています。
実行不可能な命令によって「絶対に来るな」と相手を拒絶しているのです。
たんかを切る時の決まり文句であり「この野郎」「このすっとこどっこい」(間抜けという意味)などと組み合わせて使われることもあります。
「二度と来るな」とは?
「二度と来るな」とは、もう会いたくない相手に対し、命令形で「二度と来ないでほしい」と強く訴える時の言い方です。
「来るな」は「来ないでください」や「来ないで」のような丁寧にお願いする言い方ではありません。
禁止の命令形「~するな」の形で強く命じています。
「二度と」は「同じことがまた」を意味し、打消しの「~ない」などにかかって「また起こることはあり得ない」という意味を表します。
この「二度と」と「来るな」が組み合わされると「また来ることはあり得ない」と強調する言い回しになり「もう絶対に来ないでほしい」という強い拒絶の気持ちが表現されています。
「おとといきやがれ」と「二度と来るな」の違い
「おとといきやがれ」と「二度と来るな」の違いを、分かりやすく解説します。
「二度と来るな」は、もう会いたくない人に対して「来るな」と強い口調で命令する言い方です。
「おとといきやがれ」は日本で昔から使われていたケンカ言葉で「二度と目の前に現れるな」という意味を持ちます。
つまり、両者はほぼ同じ意味をもつ言葉ということになります。
違いは「おとといきやがれ」が相手をののしる時に使う決まり文句であるため「二度と来るな」に比べると、攻撃的で俗っぽい言い回しになるところでしょう。
嫌悪や拒絶の気持ちが込められ、二度と顔を見たくない相手に使うところは同じです。
ただし、現代だと「おとといきやがれ」は少々古い言い回しになるので、威勢よくたんかを切っても相手に通じない可能性もあるでしょう。
まとめ
「おとといきやがれ」と「二度と来るな」はほぼ同じ意味を持っていますが、ニュアンスが微妙に異なります。
「おとといきやがれ」はスラングでありながら、韻の歯切れがよいため、カラッとした爽快な印象も与えます。
ただし一般的な言葉ではないので、相手を選んで使うのが無難です。