演劇やお芝居に関連して使われる言葉に「ゲネプロ」があります。
専門用語として使われる演劇業界では当たり前に使われるこの言葉は何を指すのでしょうか。
今回は、「ゲネプロ」の意味と使い方について解説します。
「ゲネプロ」とは?意味
「ゲネプロ」とは、「演劇や演奏など舞台上で発表される作品で行われる本番直前の最終的な予行演習」を意味する言葉です。
「ゲネプロ」の概要
「ゲネプロ」はドイツ語で最終テストを意味する「ゲネラルプローペ」の略語です。
クラシック音楽など舞台音楽では伝統的にドイツが本場であったことから広まった言葉であるとされています。
演劇や演奏など舞台で発表される公演は本番までに何度も稽古を重ねてクオリティを高め本番初日を迎えます。
稽古の方法も最初は読み合わせや音合せなど簡単なものからはじめ徐々に立ち稽古など本番に環境を近づけていき、一番最後に本番と同じ環境で稽古して不備や不足はないか最終チェックを行います。
稽古の中でも一番最後の本番直前に行われる稽古が「ゲネプロ」です。
「ゲネプロ」は本番を完全に再現して行うのが基本です。
衣装や小道具、セットなども本番と同じものを使用するほか照明や音楽なども完全に本番と同じ流れで行われます。
本番の完全再現なのでセリフを飛ばすなどのミスがあっても稽古を中断することはなく本番と同様につないで進められます。
演劇なら芝居の最初から最後まで、演奏ならプログラムの一曲目から最後の曲まで通しで行うのでかかる時間も本番と同じです。
基本的には本番初日の直前に当たる前日に行われることが多いのですがスケジュールや体調管理の都合上本番の数日前に行われることも珍しくありません。
会場も本番の会場と部隊を用いて行うのが基本ですが前の公演が終わっておらず本番の舞台を使えなかったり地方を周るツアーなどで会場入りが難しかったりする場合は別の会場で「ゲネプロ」が行われることもあります。
「ゲネプロ」の目的は最終的な出来栄えのチェックや手順の確認など本番に向けての準備ですが稽古とはいえ本番と何ら変わりなく行われるので一般客に先立って関係者や評論家などを招き映画でいうところの試写のような役割で公開されることもあります。
初日よりも前に雑誌や新聞などに劇評が掲載されことがあるのは「ゲネプロ」が公開されているからです。
「ゲネプロ」の言葉の使い方や使われ方
・『ゲネプロでは本番と同じ衣装を着用する』
・『明日が本番なのにゲネプロで致命的なミスが発覚した』
・『大きなトラブルもなくゲネプロはつつがなく終わった』
・『ゲネプロを見て脚本に修正を加える』
「ゲネプロ」の類語や言いかえ
・リハーサル
「本番を想定して行われる進行確認のための予行演習」を意味する言葉です。
「ゲネプロ」は舞台の演劇や演奏のほか映画やドラマなど芸術作品の予行演習を指す表現であるのに対し、こちらは本番に備えて行われる想定練習全般に対して使われます。
・通し稽古
「最初から最期まで通して行われる稽古」を意味する言葉です。
一幕や一場だけではなく上演予定の全てをやる稽古を指し「ゲネプロ」が衣装や照明なども本番と同じ環境であるのに対し、こちらは通して行われる稽古であれば衣装や舞台装置などを使わない場合も含みます。
まとめ
「ゲネプロ」は舞台関係者や演劇関係者以外は使わない専門用語です。
日常で使うことはまずありませんが難しい意味ではないのでこの機会に覚えておきましょう。