「世に言う」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「世に言う」

「世に言う」は、たまに見聞きする表現です。

その人がそう思っているだけということもありますが、この言葉が使われる際には大抵その通りなのだと考えていいでしょう。

それは、よほどのことではないと使わない言葉なのと、間違った対象に使ってしまうと、恥ずかしい思いをしてしまうことがあるからです。

「世に言う」の意味

世に言うとは、「世間で有名な」と言い換えられる言葉です。

それが意味そのもので、「世の中でそれが通説になっている」と考えると分かりやすいでしょう。

あくまで「通説」というレベルなので、合っているのかどうかとは別問題です。

例として、失恋した後に食欲がなくなる現象を「恋わずらい」と呼ぶことが多く、「これが世に言う恋わずらいか」などと使われますが、実際に失恋と食欲に因果関係があるのかどうかが証明されている訳ではないので、「世に言う」とは言っても、それが正しいことだとは限らない”世の中の通説”という表現がちょうど合うという訳です。

「世に言う」の言葉の使い方

世に言うは、「世の中でそう解釈されている」多くの物事に対して使える言葉です。

ただし、あからさまな(普段からよく見聞きする言葉や現象などでは)使い方はしないので注意してください。

例えば、車のタイヤが急にしぼんでしまったことに対して、「これが世にいうパンクか」などと言うことはありません。

故事成語やことわざなどの有名な言葉が使われるケースが多く、早く起きたことで何か得があった場合に、「これが世に言う早起きは三文の徳(得)というやつか」という使い方をします。

「世に言う」を使った例文・短文(解釈)

世に言うを使った例文や短文です。

この「世に言う」は、「世に聞く」として使っても構いません。

どちらも全く同じ意味です。

「世に言う」の例文1

「世に言う花見というやつに行ったが、寒くて酔っ払いばかりで何も面白くなかった」

「花見」はごく一般的な言葉ですが、春の一時期だけの行事なので、「世に言う」の対象としてもおかしくありません。

しかし、多少大袈裟な表現になっているのは否めないので、あまりいい使い方だとも言えません。

「世に言う」の例文2

「前の車に急に吸い寄せられるように加速したが、これが世に言うスリップストリームというやつか」

前の車が空気抵抗の壁となってくれるので、それに近付くほど同じパワーで走っていても加速するという現象を、モータースポーツではこのスリップストリームと呼んでいます。

これはレース中のことではなさそうですが、そういった現象を実際に味わったと言っています。

あまり耳慣れない用語なこともあり、「世に言う」がちょうど合うと言えるでしょう。

この言葉はこのような、「何となく聞いたことがある」という言葉や現象などを表す時が一番適切です。

「世に言う」の例文3

「誰も運転席に座っていない車が走っていたが、世に言う自動運転車というやつか」

日本ではまだそのようなことは滅多に行われていないようですが、世界では公道による走行実験も盛んに行われているようです。

近未来にはタクシーが全てそうなるだろうという予測もされていますが、交通ルールや法律を守らない急な飛び出しなどへの対応など、まだまだ難しいのが現状のようです。

「世に言う」の例文4

「世に言うクーリングオフは、通販には適用されないらしい」

クーリングオフとは、契約から8日間(その日も含めて)に限り、それを無条件で取り消すことができるという訪問販売法上の規定です。

これは、いわゆる通販は適用外となっており、通販で返品や返金を受け付けている場合、それはあくまでその業者独自のサービスとして行っています。

その為、それを強要することはできず、言われた方も受ける義務はないのです。

意味と使い方
意味解説辞典