この記事では、「主流」と「本流」の違いを分かりやすく説明していきます。
「主流」とは?
「主流」には3つの意味があります。
1つめは、支流があわさってできた大きな川の流れです。
利根川は、関東地方を北から東に流れている大きな川です。
この川は、小貝川、鬼怒川、江戸川などが集まってできています。
小貝川や鬼怒川などを支流といい、それが集まった利根川を「主流」といいます。
2つめの意味は、思想や学問などの中心となっているものです。
ある方向に傾きがちであることも意味しています。
以前は、風邪をひいて病院に行くと抗生物質を処方されることが一般的でした。
しかし、最近は抗生物質を処方しなくなってきています。
これを「風邪に抗生物質を処方しないことが主流になってきた」ということができます。
抗生物質を処方しない傾向があるという意味合いです。
3つめは、集団や組織の中で中心となっている派閥や流派です。
自由民主党には、ハト派、田中派、中曽根派などがあります。
こういったものを派閥といいます。
自由民主党の中にいくつかある派閥の中で、中心を占めているものが「主流」派になります。
「主流」の使い方
中心となっているものという意味で使用をします。
思想、学問、様式などについていいます。
「本流」とは?
「本流」には2つの意味があります。
一つは、支流が集まってできる大きな川の流れです。
河川の中には、2つ以上の流れが合流しているものがあります。
複数ある流れの中で、中心となるものが「本流」です。
もう一つの意味は、中心をなす系統です。
正統的、本来的という意味合いがあります。
ステーキは、本来牛の肉を使って作られるものです。
しかし、鶏の肉や豚の肉を使ったものでもステーキと呼ぶことがあります。
本来はステーキは牛の肉を使ったものです。
つまり、ステーキの「本流」は牛の肉なのです。
「本流」の使い方
中心をなす系統という意味では、正統的、本来的という意味を含んで使われることがあります。
「主流」と「本流」の違い
川の大きな流れの意味では、どちらの言葉が指しているものは同じです。
中心をなすものという意味も似ているのですが、「本流」には正統的、本来的という意味合いがありますが、「主流」にはこの意味合いはありません。
「主流」の例文
・『川の主流をさかのぼる』
・『現在のファッションの主流となっています』
・『香水に合成香料を使用することが主流となっている』
・『世界的な主流になっています』
「本流」の例文
・『川の本流の水温が上昇している』
・『本流で釣りを楽しむ』
・『あえて本流をはずれる』
・『ビストロの本流』
まとめ
どちらの言葉にも、川の大きな流れという意味があり、この意味では同じです。
中心となるものという意味も似ているのですが、「本流」は正統的、本来的という意味合いがあるのに対し、「主流」にはこの意味合いがない点に違いがあります。