ぱっと見は同じような言葉でも、使われ方が微妙に変わるものもあります。
この記事では、「交ざる」と「交じる」の違いを分かりやすく説明していきます。
日本語のスペシャリストを目指していきましょう。
「交ざる」とは?
交ざる(まざる)とは、ミックスされること。
区別が難しいくらい、一緒になっていることです。
2つ以上のものが混じり合って、見分けがつかない時によく用います。
「交ざる」は「交」という漢字が使われていますが、意味としては「混ざる」と同じ意味合いになります。
混ざるには「にごる・区別がつかなくなる」というニュアンスがあります。
つまり独立していたものが一緒になって、判別がつかなくなってしまうことを「交ざる」と表現しているのです。
具体的な例をあげると、しらたま粉と片栗粉が交ざる。
どちらも白い粉なので、目をこらしても違いが分かりません。
また同学年のクラスが交ざる。
こちらも同い年くらいの子どもが集まると、見分けがつかないので「交ざる」です。
「交じる」とは?
交じるとは、別の種類がはいって来ること。
異なるものが、一緒になることです。
区別がつくものが、それぞれ同じ空間にいることを指します。
「交じる」は「入り混じる」と同じような意味でつかいます。
それまで桃組のグループで遊んでいた子が、新しくレンゲ組のグループに加わるような用語です。
メンバーになったり参加したり、馴染んでとけこむ様子をあらわしています。
例としては「白鳥の群れにカラスの子が交じる」や「休み時間になって、6年生の集団に1年生が交じる」などがあります。
遠くから見ても、区別がつきやすい時に「交じる」が用いられます。
「交ざる」と「交じる」の違い
どちらも同じように見えるため、日常生活で誤りやすいフレーズです。
「交ざる」と「交じる」の違いを、分かりやすく解説します。
・区別できるか、できないか
交ざるも交じるも、交通や交番でおなじみの「交」が使われています。
経験ある大人でも、意識しないと区分けしづらい言葉です。
「交ざる」は2つのものが、同じ空間に溶けてしまった様子。
どちらもとても良く似ているため、一緒になると区別がさらにできなくなります。
それに対して「交じる」は、区別ができる自立したもの同士が、同じ空間に溶けこむこと。
それぞれ個性的な特徴があるので、一緒の環境にいても見分けがつきます。
区別ができないほどまじり合っている物は「交ざる」。
容易に区別ができる物を「交じる」。
そう理解しておくと分かりやすいです。
まとめ
「交ざる」と「交じる」の違いを、分かりやすくお伝えしました。
どちらも同化する、一緒くたになることです。
ただ表し方に、微妙な違いがあります。
「交ざる」は似たもの同士が、同じ空間に混じってしまうこと。
「交じる」は性質の異なるものが、一緒になることです。
「交ざる」は料理の言葉として。
「交じる」は人の触れあいに使用されます。
きっちり区別して日本語の上級者へ、ステップアップしていきましょう。