「企業戦士」と「社畜」の違いとは?分かりやすく解釈

「企業戦士」と「社畜」の違い違い

この記事では、「企業戦士」「社畜」の違いを分かりやすく説明していきます。

「企業戦士」とは?

「企業戦士」【きぎょうせんし】とは、企業の利益のため仕事第一で働く社員のことです。

同じ意味を持つ言葉に「モーレツ社員」があります。

企業に貢献するため、家族や自分のプライベートを犠牲にしてがむしゃらに働くサラリーマンを指します。

日本は、戦後から1970年代にかけて高度経済成長期を迎えました。

その成長を支えたのが「企業戦士」「モーレツ社員」と呼ばれるビジネスマン達です。

日本では多くの企業が、会社を優先し残業もこなしてバリバリ働くことを美徳としてきました。

1980年のバブル期には「24時間戦えますか」というキャッチフレーズが流行したように、ビジネスマンは寝る間も惜しんでタフに働くことが推奨されていたのです。

しかし、バブル崩壊をきっかけに社会情勢が大きく変動すると、長時間労働による過労死の問題が注目され、「企業戦士」型の働き方が疑問視されるようになりました。

働き方改革によって労働環境が見直されたこともあり、ポジティブな意味での「企業戦士」という表現は、見かけなってしまいました。


「社畜」とは?

「社畜」【しゃちく】とは、企業のため自分を犠牲にして尽くす社員を卑下した俗語です。

1990年には流行語にノミネートされています。

これは「会社」「家畜」を組み合わせた造語です。

言葉のとおり「会社が管理する家畜」とのニュアンスを持ちます。

「まるで家畜のように、ただ会社に尽くすだけのため働かされている社員」という意味を表しています。

「社畜」は、文句も言わず劣悪な労働条件で働く労働者を馬鹿にした言い方です。

報酬に見合わない過酷な労働条件にもかかわらず、会社の言いなりのままに従う労働者を指します。

外部の者が「社畜」社員に対して「そんな会社にしがみついてよく働けるな」と見下す意味合いを持ちますが、企業に対してサービス残業、長時間の時間外労働、転勤といった不当な扱いをおこなう「ブラック」さを指摘する意味合いも含まれています。


「企業戦士」と「社畜」の違い

「企業戦士」「社畜」の違いを、分かりやすく解説します。

「企業戦士」は、企業の利益のため仕事第一で働く社員のことです。

「社畜」は企業のため自分を犠牲にして尽くす社員のことです。

どちらも、自分の時間や家族を犠牲にしてまで会社に尽くす社員を指していますが、「企業戦士」は社員をたたえる言葉、「社畜」は社員を見下した言い方であるところが異なっています。

バリバリ働く「企業戦士」は、企業と日本の経済発展に貢献し、ビジネスマンの鏡のような扱いがなされてきました。

しかし1990年代に入ってから「企業戦士」型の働き方はあまり受け入れられなくなりました。

代わって、企業に長時間束縛されながら不当な条件で働かされる社員が「社畜」と卑下した呼び方で呼ばれるようになりました。

「企業戦士」という言葉自体もかつてのようなカッコよさが薄れ、仕事人間をからかうときに使う言葉に変わりつつあります。

まとめ

「企業戦士」「社畜」は、言葉の持つ響きは違いますが、意味はそれほど変わりません。

働きすぎ、企業の劣悪な労働条件を指摘する表現でもあるので「企業戦士」「社畜」と言われたら、働き方を見直したほうがよさそうです。

微妙なニュアンスの違いを把握しておきましょう。

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