この記事では、「便覧」と「要覧」の違いを分かりやすく説明していきます。
「便覧」とは?
「便覧」とは、べんらんという読み方をすべき言葉です。
漢字で表記されたこの言葉を見れば分かる事ですが、障り無く事が運ぶとか都合が良いといった意味を持つ便の漢字に、見るとか全体を一度に見渡せる様に纏めた物といった意味がある覧の漢字を付け足す事で成立した言葉となっています。
だからこそ便覧とは、内容を知るために便利で調べ易く編集した本という意味があるのです。
「便覧」の使い方
「便覧」は、物事を知る際に調べ易い様に纏められた小さな本に対し用いられる言葉となっています。
具体的にはハンドブックの様な小冊子に対し、この便覧という言葉が使われる事が少なくありません。
要するにある特定の分野の知識に対し、手軽かつ分かり易く纏めて編集された本の事を、便覧と呼んでいます。
「要覧」とは?
「要覧」とは、ようらんという読み方をする言葉です。
文字で表記されたこの言葉をチェックすれば明らかな事ですが、纏めるとか大事な所といった意味を有する要の字に、全体を纏めたものとか眺めるといった意味の覧の字を加える事で誕生した言葉となっています。
そのため「要覧」とは、統計図等の資料を使って要点を纏めたり見易くした文章を表す言葉です。
「要覧」の使い方
「要覧」は、図や表等の資料を用いながら要点を分かり易く要約した文章に対し使用する事が多い言葉となっています。
ただし「要覧」という言葉自体は、日常的には余り使用しないため馴染みがないという人も少なくありません。
そんな中、良く見られるのが、学校の実態を報せるべく用意される物を、学校要覧という言葉で表現するケースです。
同じ様に業務に関して分かり易く纏めた文章を、業務要覧という言葉で表す事もあります。
「便覧」と「要覧」の違い
「便覧」と「要覧」は、文字を見比べれば直ぐに最初に便の字が付くか、要の字が付くかという分かり易い違いがある事に気付くはずです。
ただし2文字目は同じ覧の字が付く上に、どちらも情報を纏めた物に対して使われる言葉同士なので、混同してしまう恐れはあります。
ただし「便覧」は、知りたい情報を分かり易く纏めた小さな本、つまりハンドブックに対して使われる言葉です。
一方の「要覧」は、資料等を使って分かり易く纏めた文章に対して使われる言葉となっています。
「便覧」の例文
・『うちの大学では、入学してから卒業するまでの学生のサポートをする目的で、学生便覧を出しています』
「要覧」の例文
・『当校では教育計画や経営計画を知って貰うために、学校要覧を配布しております』
まとめ
2つの言葉は、2文字目に同じ覧の字が使われているものの、最初の文字が便と要という明確な違いがある言葉同士です。
ただし持つ意味合いのニュアンスも似ている所があるため、それぞれが持つ言葉の意味をしっかりと把握する事が大事だったりします。
まず「便覧」は、情報を分かり易い形で纏めた小さな本に対し、使用される言葉です。
対する「要覧」は主に、資料等を使用しつつ分かり易く情報を纏めた文章に対し使われる言葉となっています。