この記事では、「元」と「前」の違いを分かりやすく説明していきます。
「元」とは?
「元」とは、以前、昔といった意味があり、副詞的、連体詞的に使います。
「元アイドル」「元社長」などと言いますのは、以前アイドルであった、社長をしていたといったことを表します。
他に「元夫婦」と言えば、以前夫婦だったが、現在は離婚して夫婦ではないということがわかります。
「元」を使った言い回しでよく使われる言葉が「元の木阿弥」「元の鞘に収まる」といったものがあります。
「元の木阿弥」とはよい状態になったものが、また前の状態に戻るといった意味ですのであまりいい意味ではないと覚えておきましょう。
「元の鞘に収まる」とは仲が悪くなった者が、再び以前の間柄に戻ることを言います。
略して「元鞘」とも使われます。
「前」とは?
「前」とは、複数の意味がある言葉です。
顔や視線の向いている方向、先を示したり、着物を着た際、体の正面にくる部分といった意味もあります。
他に順番が先、時間的に以前という意味もありますし、悪い意味では「前科」「過去の罪」という意味合いも持っています。
それ以外の意味としては名詞、動詞について、分量を表したり、属性、機能などを強調する使い方もできます。
例えば「一人前」「分け前」「男前」「大した腕前」「気前がいい」などと使います。
このように「前」の場合、複数の意味合いがありますので、どの意味合いなのかを判断する必要があります。
「元」と「前」の違い!
「元」と「前」の違いを、分かりやすく解説します。
この二つの言葉はどちらも昔、以前のことを表すことができます。
例えば「元社長」「前社長」といった言い方をしますが、これはどのような違いがあるかと言えば「元」がつく場合は、現時点から考えて「昔」といった意味が強くなります。
一方「前」の場合は、「直前の」といった意味がありますので、それほど昔ではない時に使います。
「元社長」と言えば、かなり前、もしくは現在はその仕事から離れているといった印象になります。
「前社長」とは、「現在の社長の前に社長だった」といった時に使います。
他に「元チャンピオン」「前チャンピオン」なども同じように考えて使ってください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「元」と「前」、二つの言葉の意味と違いを説明しました。
どれぐらい以前なのか、昔なのかといった風に考えますと「元」か「前」かふさわしい方がわかりやすくなります。
言葉の意味を正しく理解して使い分けていきましょう。