予定や提案案などが検討されたときの扱いとして「先送り」と「見送り」があります。
どちらの言葉もよく使われる一般的なものですがいったいどこに違いがあるのでしょうか。
今回は、「先送り」と「見送り」の違いについて解説します。
「先送り」とは?
「先送り」とは、「現段階では結論を出さず判断を先延ばしすること」という意味の言葉です。
「現在出せる結論や決定を出さず先に送る」のが「先送り」の意味する内容です。
後日改めて話し合って結論絵を出したり期限を延ばしたりなどやり方はいろいろですが、「やらなければいけない決断や決定を後回しにする」ことを指して「先送り」と表現します。
「先送り」には「後でやる」意味が含まれます。
「現段階では見送るが後で必ずやる」のが「先送り」であり結論や決断は保留されますがうやむやにするつもりはなく、後日に判断することに対してある程度の確証があるときに用いられる表現です。
面倒で後回しにしたいという理由から情報不足でもっといろいろなことを調べたいといった建設的な理由まで 「先送り」になる理由はさまざまです。
一般的にはネガティブな意味合いで使われることが多い言葉ですが必ずしも悪いことではなく慎重に判断するために「先送り」されることもよくあります。
「先送り」の使い方
・会議の結論を先送りする。
・当日の具体的な内容がわからないので参加の判断を先送りにした。
・予算案を先送りにするにも限界がある。
・議定書への参加表明を先送りする。
「見送り」とは?
「見送り」とは、「様子だけ見てなにもしないこと」という意味の言葉です。
「行動する人や動くものに対して見ているだけで関わらない」というのが「見送り」の本来の意味です。
そこから転じて「時間の経過とともに手出しできなくなるようなことに対して見ているだけで何もせず結果的に参加しない選択をする」ことを指して「見送り」と表現します。
「見送り」は簡単に言えば「やらない」と同じ意味の言葉です。
「やらない」と言うと関わらないことに対する積極的な意思表明になりますが、「見送り」は関わるとも関わらないとも積極的な意思表明は行わないで結果的に関わらないことを選択しています。
意味は同じでも積極性には大きな違いがある消極的な否定の意思表明を意味する言葉です。
「見送り」の使い方
・連合への参加は見送りになった。
・一度は見送りになった改革案が再び注目を集める。
・不祥事のせいで昇進が見送りになる。
・異論が相次いだため今国会での法案成立は見送られた。
「先送り」と「見送り」の違い
「先送り」と「見送り」の違い「結論の有無」です。
「先送り」は後日結論や決定を出すつもりですが現時点では何の結論も出ていません。
「見送り」は「やらない」という否定の結論が現時点で出されており判断は終了しています。
「先送り」はまだ結論が出ておらず判断が先延ばしされ結果がどうなるかわからない状態を、「見送り」はすでに判断が完了し結果が確定している状態を表しています。
まとめ
「先送り」と「見送り」では言葉の意味が全く異なります。
似たような表現と思われがちですが意味合いはだいぶ異なるので勘違いしないようにしてください。