この記事では、「公表」と「開示」の違いを分かりやすく説明していきます。
「公表」とは?
「公け(おおやけ)に表す」と書いて、「公表」。
世間に広く発表するといった意味となります。
世間に広く発表するということから、個人が身内や学校内、ご近所内などといった特定の地域で何かを発表する際ではなく、個人の場合は、ブログやTwitter、インスタなどで不特定多数の人に発表する際に使用する言葉となります。
一般的には、個人が何かを発表するときではなく、官公庁又は企業などが何かを発表する際に「公表」が用いられることとなります。
「公表」の使い方
「公表する」、「公表される」といった使い方が基本となりますが、「公表」には、「公表権」や「出願公表」、「要旨の公表」、「指針の公表」、「意見の公表」、「基本的事項の公表」、「規約の公表」など、何を「公表」するのかを示す言葉もたくさんあります。
「開示」とは?
「開いて示す」と書いて、「開示」。
はっきりと明確に示すこと、説き明かし示すこと、おしえさとすこと、といった意味があります。
内容を明確にし、そのことを広く知らせることを意味し、一般の人すべてにわかるように広く知らせるといった意味があります。
ただし、この「開示」の場合、「教えてほしい」と希望してきた人のみに対し内容を明らかにするといった意味があり、不特定多数の人に行うものではありません。
「開示」の使い方
「開示する」、「開示される」といった使い方が基本となりますが、「開示」には、「開示請求」や「自己開示」、「開示義務」、「部分開示」、「開示手続き」、「情報開示」、「開示期日」、「開示プログラム」、「開示システム」など、「開示」を用いた言葉はたくさんあります。
「公表」と「開示」の違い
おおやけにする、発表する、といった意味では同じ「公表」と「開示」ですが、「公表」の場合は、官公庁又は企業などが自身の情報を世間に広く知らせるといった意味がある一方、「開示」の場合は、世間に広く知らせるといった意味ではなく、「教えてほしい」と希望してきた人にのみ、その内容を発表するというものとなります。
また、「開示」の場合は、「開示」を求めたからといって、すべての情報を「開示」してもらうことができない場合もあります。
「公表」の例文
・『犯罪において、加害者が未成年の場合、指名は公表されないことに対し、被害者の指名は公表されることに対し疑問に思うことがある。』
・『今回の地震で被害に遭った方々の実名が公表されました。』
・『最近は、テレビよりもインターネットを介して、様々なことが公表されています。』
・『そちらに、すべての情報の公表を求めます。』
「開示」の例文
・『情報の開示を求めたものの、一部しか開示してもらうことができなかった。』
・『例え遺族であっても、加害者における情報開示がすべて行われるわけではない。』
・『彼女に思い切って、自己開示を行ってみた。』
・『情報開示の手続きが無事に完了しました。』
まとめ
以上のように「公表」と「開示」は、まったく別のものだと考える必要があります。