この記事では、「出来事」と「事象」の違いを分かりやすく説明していきます。
「出来事」とは?
「出来事(できごと)」とは、「実際に起こった物事・エピソード」を意味しています。
「出来事」という言葉は、「その人が実際に経験した事柄」を示唆しています。
「出来事」は「一般的な知識・情報として起こったとされている事柄」ではなくて、「その人(自分)が実際に見たり聞いたりした事柄」を意味している表現なのです。
また「出来事」は、「世の中や自分の周辺で実際に起こった物事」という意味でもとらえることができます。
「事象」とは?
「事象(じしょう)」とは、「自然界・人間社会の現実で生起するあらゆる物事」を意味しています。
「事象」という言葉は、「一定の条件あるいは事情から起こる出来事や現象全般」を示唆しています。
「事象」の表現には、「数学の確率において、何度もリピートされる試行の結果として発生する現象」といった意味合いもあります。
数学用語の「事象」は「サイコロを振る・くじを引くなどの行為の結果」であり、そこから「確率・法則」を導き出すことができるのです。
「事象」とよく似た意味を持つ類語として、「現象(げんしょう)」や「事柄(ことがら)」、「実例(じつれい)」などがあります。
「現象」は「視覚的に認識可能な物事」、「事柄」は「物事の内容および外観」を意味しています。
「実例」というのは、「ある物事や理論に関する実際の具体的な例」のことです。
「出来事」と「事象」の違い
「出来事」と「事象」の違いを、分かりやすく解説します。
「出来事」の表現は、「自分が実際に知覚したり体感したりした事柄」を意味しています。
それに対して、「事象」は「自分自身が体験したのか否かとは関係がない一般的な意味を持つ言葉」であるという違いを指摘できます。
「事象」とは「ある条件や環境において起こった物事全般」を示している言葉であり、「出来事」のような「人による直接の体験」がなくても成り立つ概念です。
また「出来事」は話し言葉として気軽に使われる言葉ですが、「事象」はフォーマルな場面・文章でしか使われない違いも挙げられます。
「出来事」の例文
・『10年以上かわいがっていた愛犬のシルキーが亡くなる悲しい出来事があってから、彼女は口数が少なくなって落ち込み続けています。』
・『2年前のあの日にあったつらい出来事を、私が代表して話すのは憚られますが、事件の捜査に必要なのであればお話したいと思います。』
「事象」の例文
・『治験の結果に現れたいくつかの事象を見る限り、今すぐに焦ってこの薬剤を市販化することには一定の健康リスクがあります。』
・『自然界で大雨や雷、地震などが起こる事象はランダムな発生に見えますが、科学はそこに法則や原因を見つけ出そうとする知的な試みなのです。』
まとめ
この記事では、「出来事」と「事象」の違いを詳しく説明しましたが、いかがでしたか。
「出来事」と「事象」の意味や違い、例文をリサーチしたい人は、この記事の解説をチェックしてみてください。