この記事では、「半通夜」と「本通夜」の違いを分かりやすく説明していきます。
「半通夜」とは?
葬儀において通夜と呼ばれる儀式があります。
日本では、この通夜のやり方で半通夜と本通夜に区別しています。
半通夜は、「はんつや」と読みます。
通夜は「夜を通して」と書きますが、夜通し故人を静かに偲ぶ儀式のことです。
一方の半通夜は、数時間だけ行う通夜のこと。
これは通夜を行う風習が時代の流れで変化したことで生まれました。
なぜ変化したかというと、いくつかの理由があります。
まずひとつめは、お線香の進化です。
通常、通夜ではお線香の火を絶やさないように寝ずの番をしたり、交代したりしていました。
お線香を絶えず手向けるためであり、目を離したすきに火事にならないよう配慮されたからです。
しかしながら、現在は本物のお線香に代わる電動式のものが出回ってから、寝ずの番は不要になりました。
そのことから、通夜自体も短縮して半通夜とし、それが徐々に浸透してきたのです。
また、近年は自宅で通夜を行うケースが減少傾向にあります。
斎場などで通夜→葬儀という流れになることが増えたためです。
遺族にとって自宅で通夜や葬儀を行うことは負担が大きいために、葬儀会社へ依頼するとこのような流れになるからです。
今では、本通夜に代わって、この半通夜が主流となっています。
「本通夜」とは?
本通夜は「ほんつや」と読みます。
故人が亡くなった後、親族や親しい人が集まって静かに過ごす時間のことで葬儀の前に行われます。
具体的に何を行うかというと、午後6時くらいから始めます。
葬儀自体は日中に行われることが多く、その時間帯に参列できない人が香典を持ってお悔やみに来ることもあります。
受付で香典を出し、その後に焼香を行います。
宗派に則った形で行われますが、多いのは僧侶の読経があり、概ね1~3時間くらいで終了します。
その後、お清めといって軽食を振舞い、お酒を飲みながら故人の話をしながら偲びます。
このお清めがお開きになると、親族の代表が故人の遺体の近くでお線香の火を絶やさないように寝ずの番を行うわけです。
「半通夜」と「本通夜」の違い
「半通夜」と「本通夜」の違いを、分かりやすく解説します。
半通夜は、数時間で終わる通夜のことです。
現在は、この半通夜が主流となってきました。
本通夜は古くから残る通夜の形で、お線香の火を夜通し絶やさないようにします。
お線香の進化や親族の負担が大きいために廃れつつありますが、一部では変わらず本通夜を行っています。
まとめ
通夜の案内には、それが本通夜なのか半通夜なのかという詳細は省かれています。
あくまでも遺族の考えに基づいて行われるからであり、参列者にはあまり関係がないからです。
親族や近しい知り合いは通夜も葬儀も参列しますが、それほど密な付き合いがなかったのであれば、どちらか一方でも失礼にはなりません。
近年は家族葬といって、限られた人たちだけで見送ることも多くなりました。
いざという時に「半通夜って?」とは周囲に聞き辛いものですから、予備知識として知っておいたほうが無難です。