この記事では、「各人」と「各自」の違いを分かりやすく説明していきます。
「各人」とは?
「各人」とは、辞書によるとひとりびとり、めいめいの人の意味を指す言葉とあります。
『わが校の教育方針は、各人の個性を大切にする事です』や『課題のテーマは各人が自由に設定して下さい』の様に使われます。
「各自」とは?
「各自」とは、それぞれの人。
めいめい。
おのおのの意味を指す言葉と辞書に記載されています。
『弁当は各自持参してください』の様に使われます。
「各人」と「各自」の違い
「各人」とは、ひとりびとり、めいめいの人の意味で、「各自」とは、それぞれの人。
めいめい。
おのおの意味だと辞書に記載されており、全く同義語に思えます。
しかし、実際に使用される場合には、2つの言葉は使い分けられるケースが少なくないのです。
その使い分けは、「各人」はどんな場面でも、ひとりひとり、めいめいと言う意味で広く使われますが、「各自」の方は、ある組織・集団内でのひとりひとり、めいめいを指す場合に限定して使うと言うものです。
こうした事から、会社や学校で、その内部の社員や生徒・学生に対してひとりひとり、めいめいの意味で使う場合に「各自」を使い、その他一般的に使う場合に、「各人」を用いると使い分ける人が多いのです。
先に記載した様に、「各人」を会社内の社員や、学校の生徒のひとりひとりの意味で使っても、間違いではありません。
先の例文の『弁当は各自持参してください』を『弁当は各人持参してください』と置き換えても、違和感はありませんし、間違いではありません。
むしろ小学生に話すなら「各自」よりむしろ「各人」の方が意味を理解しやすいとも考えられます。
こうした事を考えると、集団内を対象に使う場合には、ケースバイケースで使い分けた方が良いとも言えます。
ただ、こうした使い分けをしているビジネスマンも少なくないので、ビジネスマンならこの習慣とも言える使い分けに従うのも、一つの方法だと思います。
特に広く一般の人を対象に、ひとりひとりの意味で使う場合には、「各自」は使わない方が無難だと言えるでしょう。
まとめ
辞書によると、「各人」も「各自」も、いずれもそれぞれの人。
めいめい。
おのおのの意味を指す言葉とあり、同義語だとされています。
しかし、実際には「各自」は会社内の社員の様に、一定の組織や集団内のメンバーに対して、それぞれの人を指す場合に限定的に使うケースが多く、「各人」の方は、そうした限定なく使われる事が多い言葉だと言えます。
もちろん、一定の組織や集団内のメンバーに対して「各人」を使っても間違いではありませんし、その集団が小学生の場合などでは「各自」を使うよりも理解しやすいと言え、ケースバイケースで使い分ければ良いと言えます。
しかし会社の文章等では、会社外の広く一般を対象として、ひとりひとりの意味で使う場合には、「各自」を使う事は避け、「各人」を使う方が無難と言えるでしょう。