「否めない」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「否めない」

この「否めない」という言葉は多少堅い表現になりますが、それなりに見聞きする機会があるでしょう。

それほど難しい使い方をする訳ではないので、一度使えばどんな時に使う言葉なのかすぐに分かると思います。

「否めない」は、言ってしまうと、意味となる言葉の略として使われる言葉ですが、そちらより難しい響きがある為、単なる略語に留まらず、好んで使われることも多いのが特徴です。

「否めない」の意味

否めないは、「否定できない」を略した言葉です。

「否」(いな)という言葉自体に「否定」という意味があり、「〜めない」と付けることで、それが「できない」という意味で作られました。

「〜めない」と付けて、その前のことが「できない」と表現している言葉は他にも多く、「憎めない」(憎むことができない)や「諦めない」(諦めはしない)などが代表的です。

そして、これらもそれぞれ意味となる言葉の略語だと表現することができます。

「否めない」の言葉の使い方

否めないは、それは「否定できないだろう」と思った時に使う言葉です。

それ以外の使い方は特になく、この形以外で使う場合、多少古い表現になる「否めず」という形くらいのものです。

上で類似例に挙げた「憎めない」「諦めない」といった言葉は、それぞれ「憎む」「諦める」と変化させると反対の意味になりますが、「否めない」「否む」とすると、同様に逆の「否定する」という意味になります。

「否めない」を使った例文・短文(解釈)

否めないを使った例文や短文です。

どれも、意味となる「否定できない」と置き換えることができます。

場合によってはそちらの表現の方が(文章としての見栄え、語呂から)合っているケースもあるので、無理にこの「否めない」と使う必要はありません。

「否めない」の例文1

「確かにその可能性も否めないだろう」

その可能性も少しはあるだろうという意味になります。

否めないが意味するの「否定できない」というだけなので、そちらが正しいという意味ではありません。

この例文では、「その可能」と呼ばれる方が正しいと思った訳ではなく、可能性としてはあると言っているだけに過ぎません。

少しでもその可能性があれば、「否めない」と使うことができます。

「否めない」の例文2

「一見、綺麗に見えるが、作りの古さは否めないところだ」

見た目は綺麗に見えても、根本的な作りが古いのは隠せないと表現しています。

築年数がある程度経っているアパートなどで、どれだけ見た目を綺麗にしても、今の流行りではない随所の作りなどから築年数なりだということが分かってしまうといった場合がいい例です。

「否めない」の例文3

「そこまでは、さすがにやり過ぎな感が否めない」

そこまでやってしまうと、やり過ぎと言える状態になってしまうのではないかと使っている例文です。

この例のように、「〜な(の)感が(は)」の後に付ける形は、「否めない」の使い方として結構見ることが多いです。

このような使い方では、「否定できない」ではなく、こちらの言葉の方がしっくりくると言っていいでしょう。

「〜な感が否定できない」では、いかにも語呂が悪いと言わざるを得ません。

「否めない」の例文4

「感染症が否めないので、抗生物質を投与した」

こういった形で使う時には、「否定できない」と置き換えた方がいいというケースに入ります。

もちろんこのままでも特におかしいことはなく、普通に文章として成り立っていますが、全体的な日本語としてのバランスの問題です。

それがどういうことなのかと表現するのも難しいですが、両方を口に出して読んでみると何となく分かるかも知れません。

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