偉人の名言を指して「含蓄に富む」と表現することがありますが、なんとなくの意味は理解できても細かい意味を正確に理解できている人は少ないのが事実です。
この言葉は本当はどのような意味なのでしょうか。
今回は、「含蓄に富む」の意味と類似表現について解説します。
「含蓄に富む」とは?意味
「含蓄に富む」とは、「奥深い内容や意味が豊かに込められている」という意味の言葉です。
「含蓄に富む」の概要
一般的には言葉や文章などに対して使われる表現で「表層だけではなく深い意味がこめられていてすぐにはりかいできない深さがある」という意味合いで使われます。
言葉の文字通りに受け取るだけでなくひとによって多様な解釈ができるような言葉を指しており、人の心に強く残り訴えかけるような奥深い言葉を表します。
含まれている内容は目標になるものや役に立つものなど肯定的な意味や内容であり否定的なものに対して手は使われません。
否定的な意味や内容を含む言葉については「毒がある」「裏がある」などと表現します。
「含蓄に富む」の「含蓄」には「内側に含んで蓄える」という意味があります。
「見て聞いて分かる意味だけではなくじっくりと解釈し味わうことで理解できるような深い内容が内側に蓄えられている」のが「含蓄に富む」の指すものです。
「含蓄に富む」の言葉の使い方や使われ方
・彼の残した言葉はどれも含蓄に富むものばかりだ。
・わかりやすさが求められる現代において含蓄に富む文章は絶滅寸前である。
・中国の古典文学はどれも含蓄に富んでいる。
・彼の言葉は含蓄に富むが、肝心の彼自身が実践できていないのは問題だ。
「含蓄に富む」の類語や言いかえ
・示唆に富む
「いろいろなところを指し示して教え導く」という意味の言葉です。
一般的には教え導かれるところから転じて「学びが多い」という意味で使われ、「示唆に富む言葉」という場合は「いろいろと学べるところが多いありがたい言葉」という意味になります。
「含蓄に富む」が裏側に意味や内容が隠れているのに対し、こちらはより直接的でわかりやすく役に立つ様子を表します。
・味わい深い
「知れば知るほど新しい発見がありじっくりとすばらしさを感じられる」という意味の言葉です。
「含蓄に富む」が内側に蓄えられているという未知の可能性やポテンシャルを強調した表現であるのに対し、こちらはどんどんと味わいが出てきたという実践し理解した上での結果とその先の可能性を表現しています。
「含蓄に富む」にはありがたみや敬意が含まれていますが、こちらは親しみの気持ちが強く評価はしていますが強い敬意は含まれていません。
・金言
「金に並ぶほどの価値がある言葉」という意味の言葉です。
「含蓄に富む」が言葉や文章のほか小説や映画などある程度ボリュームのある作品にも使われる表現であるのに対し、こちらはごく短い言葉やセリフに対してのみ使わえる言葉です。
意味合いは非常に近いですが「含蓄に富む」は深さや広がりを、「金言」は言葉そのものの価値や完成度を評価しているという違いがあります。
まとめ
「含蓄に富む」は日常生活では余り使う機会はないものの、ビジネス書や評伝などでは使わえる機会の多い言葉です。
意味を理解してしまえば難解な表現ではないので言葉そのものの指し示す内容をしっかり理解しておきましょう。