世の中に発表されたものには全て「商品」と「作品」の両面があると言われます。
同じものに対して異なる見方があるのは珍しいことではありませんが、このふたつは具体的に何が違うのでしょうか。
今回は、「商品」と「作品」の違いについて解説します。
「商品」とは?
「商品」とは「商いのための品物」という意味の言葉です。
一般的に「商品」という場合は「売買される品物」を指します。
経済活動において寡兵を媒体に取引されるものが「商品」であり、通常は食料や道具などの財物のことを意味します。
経済学用語としては労働によって生み出されるサービスも「商品」に含まれます。
通常は「お金を払って購入できる品物」という意味で使われることが多く、価格が設定され販売されている品物を意味する言葉として使われます。
「売りに出されている品物」という意味の他にも「経済的な価値のある物」「個別の事情を考慮せず取引対象として扱う物」という意味もあります。
「商品」の使い方
・店頭に商品を並べる。
・缶詰から宝石まで、デパートではさま座な商品が販売されている。
・芸術に興味のない彼にとって歴史的な名画もただの商品でしかない。
・汚れがつくと商品価値が落ちるので注意しなさい。
「作品」とは?
「作品」とは「何らかの意図を持って作り上げられたもの」という意味の言葉です。
通常は芸術的な価値を持つ品物や芸術的な意図のもとに作り上げられたものを指す言葉ですが、偶然出来たものや本人は全く芸術的な意図がないのに後天的に価値が認められたものなども「作品」と呼ばれます。
一般的に「作品」と呼ばれる物は他とは違う特別性を有しています。
似たようなものがある中で他とは違う特別性こそが「作品」を「作品」たらしめています。
意図や価値などによって決まるものなので必ずしも出来不出来は関係ありません。
上手だから、優れているから「作品」だとは限らず下手な絵やありふれたようにみえる品物が「作品」とされることもあります。
品物単体の価値や希少性だけではなく作られた背景や完成に至るまでのストーリーなど、様々な要素によって「作品」かどうかが決まります。
「作品」の使い方
・渾身の作品を発表する。
・展示会にはたくさんの作品が並べられた。
・未発表の作品が発見された。
・大人気作家の作品がオークションに出品される。
「商品」と「作品」の違い
「商品」と「作品」の違いは「売買することに対する意識」です。
「商品」は売るために作られたものや実際に取引されているものを指しています。
売買を前提にしているものがほとんどであり取引にも積極的です。
「作品」は作られた段階では売買を第一にしていません。
芸術性や世の中への問いかけなど作ること事態が目的であることが多く、売買されることは認められてもそのために作られているわけではありません。
商品」と「作品」は売買を第一に考えているかどうかで区別されています。
同じ売り買いされている品物でも「商品」と「売買される作品」は似ているようで全く別物です。
まとめ
「商品」と「作品」は全く別の意味の言葉ですが、世の中にあるほぼすべての物は両方の性質を備えています。
どちらの性質が強いのかによってふさわしい呼び方は異なるので注意してください。