人間は原始時代に、土を加工するということを始めました。
その頃の時代の出土品が「土偶」や「土器」などです。
この記事では、「土偶」と「土器」の違いを分かりやすく説明していきます。
「土偶」とは?
「土偶」とは、縄文時代の遺跡から出土する素焼きの土の人形のことを言います。
他にも遺跡から発掘されている土人形では、「埴輪」があります。
ですが、時代が違い、「埴輪」は古墳時代のもです。
「土偶」の多くは妊娠した女性をイメージしたものが多いと言われています。
その姿は実際の人間とは違っていて、かなりデフォルメされています。
なぜ、縄文時代に「土偶」が作られていたのかの理由は解明されていないようです。
いくつかの仮説があり、その一つが祈りの対象として使われていたという説です。
新たな命や生命力などを願ったのかもしれません。
他にも魔除け的な意味で使われたのではないかという説もあるようです。
まだ、言葉を書き残すと言うことが行われていない時代なので、明確な理由を知るのはかなり難しそうです。
「土器」とは?
「土器」とは、素焼きの焼き物のことです。
「かわらけ」とも言います。
遺跡から発掘されている「土器」には、縄文土器や弥生土器などがあります。
「土器」は食料を煮炊きするのに使われていました。
そのことからも、生活の知恵として、「土器」が生み出されたのだと考えられます。
縄文土器の頃の「土器」は厚みがありますが、弥生時代になってくると、厚さが薄くなってきます。
その後、古墳時代の土器はさらに薄くなり、それ以降はもっと薄くなっていったようです。
これは「土器」を作る技術が進んだものと思われます。
また、縄文土器は縄目模様や火炎土器など、派手な模様の物が多く出土しています。
しかし、弥生時代になると、模様も落ち着いてきて、古墳時代はさらに簡素になっていきます。
時代を経るとともに、装飾よりも使いやすい「土器」が多くなったのかもしれません。
さらに、当時のデザインの流行なども影響しているとも考えられます。
「土偶」と「土器」の違い
「土偶」と「土器」の違いを、分かりやすく解説します。
「土偶」も「土器」も、どちらも土で作られた素焼きです。
しかし、「土偶」は土人形であるのに対し、「土器」は煮炊きなどに使われる実用品でした。
「土偶」は縄文時代だけですが、「土器」の方はその後もずっと使われ続けています。
「土偶」が利用されていた理由は明確ではありません。
もしかしたら何らかの儀式や祈りのために使われていたのかもしれません。
まとめ
「土器」を煮炊きに使う以前から、石をくり抜いた物なので、煮炊きが行われていたのかもしれません。
しかし、使いやすいように土を形成して作った「土器」のほうが圧倒的に使いやすかったでしょう。
土で作られた食器や鍋などは現在も使われています。
「土器」は長い歴史の中で、使いやすいように進化を遂げてきました。
普段何気なく使っている素焼きや磁器、または陶磁器などですが、時にはこれらの歴史を振り返ってみるのも良いかもしれません。