こちらの記事では、「境涯」と「境遇」の違いを分かりやすく説明していきます。
「境涯」とは?
境涯とは、きょうがいという読み方をする言葉です。
文字で見れば分かる様に置かれた状態やさかいといった意味を有する境の字と、終わりに至るまでの間とか水際の意味を持つ涯を組み合わせて生まれた言葉となっています。
そのため境涯は、この世で生きて行く上で置かれた立場や身の上、といった意味を持っているのです。
「境涯」の使い方
境涯は、その人が置かれているであろう立場や状況を、表したい時に使用される事が多くなっています。
もう少し平たく言うと生まれ付きの立場や身分といった事であり、具体的には、境涯を高めるといった使い方で、自分の立場をよりよくしようとする意味を表す事が可能です。
他にも境涯を開くという形で、使われる事も少なくありません。
「境遇」とは?
境遇とは、きょうぐうという読み方をすべき言葉となっています。
漢字で表記されているのを目にすれば分かる様に、置かれている状況や土地の区切り目である境の漢字に、巡り合わせや思いがけない出会いといった意味を持つ遇の漢字を組み合わせて誕生した言葉です。
だからこそ境遇は、人間が置かれている状況や身の上、といった意味を持っています。
「境遇」の使い方
境遇は、その人が社会的に置かれている状況や環境を表したい時に用いられる事が多い言葉です。
例えば、境遇が悪いという表現で、その人が置かれている状況や環境の悪さを表す事が出来ます。
逆に、恵まれた境遇、という表現で逆に良い状況や環境にいる事を表す事が可能です。
「境涯」と「境遇」の違い
境涯と境遇の違いはまず、文字表記を比較すれば即座に分かる様に、境に続く文字に涯と遇という明確な違いが見られる事だったりします。
ただしどちらもその人の立ち位置や状況を表現する際に使用する言葉であるため、使い分けをしようとすると迷う人も珍しくありません。
ですが境涯の方は、生まれ付きといった運命的な状況を指し示す意味合いが強いです。
一方の境遇の方は、一時的なその人の立場についても表す事も多く、一般的にはこちらの言葉の方を使用する事が多くなっています。
「境涯」の例文
・『彼は不幸な境涯に屈する事なく、逞しく生きています』
・『彼女は境涯を高めようと、必死に努力を続けている』
「境遇」の例文
・『上手く行かない事があると、私はついつい境遇のせいにしてしまう』
・『彼も同じ境遇に立てば、貧しい人の辛さも理解出来るはずです』
まとめ
2つの言葉を比べるとまずは、2文字目に涯と遇という明確な違いが見られる事に気付くものです。
ですがその人の立場を表したい時に用いるので、持つ意味合いも似通っています。
お陰で使い分けがし難いと感じる人がいますが、境涯の方は生まれ持った運命といった状況に対して、使用される事が多い言葉です。
境遇の方は、会社の役職等の一時的な立場に対しても使用されるので、日常的にはこちらの言葉を用いる事が多くなっています。